モメンタム

「モメンタム」とは資産運用の戦略の一つで、価格が上昇または下降のトレンドを持続する傾向にある投資対象を選び、そのトレンドが続く間に投資を行う方法です。具体的には、過去の一定期間にわたってパフォーマンスが良かった資産を購入し、逆にパフォーマンスが悪かった資産を売る戦略をとります。このアプローチは「勢いに乗る」という意味があり、株式市場だけでなく、債券、通貨、商品など幅広い市場で利用されています。

モメンタム戦略は、市場の心理的側面や投資家行動の集団的な傾向を利用します。市場参加者が価格動向に反応して行動することで、既存の価格トレンドが強化されることが多いため、この戦略は効果を発揮することがあります。しかし、市場の転換点での反応が遅れることや、トレンドが急に変わった際のリスクも伴います。そのため、モメンタム戦略を使用する際は、適切なリスク管理とトレンドの変化を見極める分析が重要となります。

投資対象が割安水準ではなくても、上昇の勢いがある銘柄を購入する判断のための指標を言います。

通常債券や株式といった投資対象でリスクを把握することが多いが、近年その投資対象の構成する（リスク）ファクターで価格変動を分析するファクター投資が盛んとなっています。

これは食べ物に言い換えると、『素材』としての人参に注目するか、『栄養素』としてのビタミンAに注目するかという違いにあたるだろう。近年栄養素としてのファクター投資において、グロース、バリュー、小型、低ボラティリティ、クオリティなどと並んで、モメンタムも注目されることが多くなっています。

モメンタム戦略とトレンド戦略は似ていますが、重点を置くポイントが異なります。どちらも市場の動向を利用する点では共通していますが、アプローチに微妙な違いがあります。

モメンタム戦略は、最近の価格変動の勢い（モメンタム）に注目します。具体的には、特定の期間内で最もパフォーマンスが良かった資産を購入し、パフォーマンスが悪かった資産を売却します。この戦略では、価格が短期間にどれだけ動いたか、その勢いが強い資産を選びます。市場の感情や短期的な流れを捉えることが重視されます。

トレンド戦略は、より長期的な市場の動向、つまり「トレンド」を利用します。この戦略では、市場が長期にわたって示している方向性を基に投資判断を行います。たとえば、上昇トレンドにある資産には投資を続け、下降トレンドにある資産は避ける、といった形です。トレンド戦略は、長期的なデータ分析に基づき、より緩やかな市場の動きを追いかけます。