Evestment社のデータによるとヘッジファンドの運用残高は2018年末にUSD3189Billion(約350兆円)であったものが、2019年10月にはUSD 3261 Billion(約358兆円)へと8兆円分増加している。しかし資金フローで見てみると流入より流出のほうが多く、差し引きでUSD88 Billion(約9.5兆円)の資金が解約・償還されている。2019年10月にヘッジファンドから推定62億ドル(約6800億円)を買い戻したが、これは8カ月連続の流出だった。資産の増加分に解約分を足したUSD160Billion(約17兆円)が運用により稼いだ金額となる。
2019年のヘッジファンドの中で1年を通して流出が多かったのは株式ロングショート戦略のUSD40Billion(約4.3兆円)、次にグローバルマクロ戦略のUSD23Billion(約2.5兆円)となっている。株式ロングショート戦略は10月までの年初来リターンは9.9%プラス、グローバルマクロ戦略は5.24%プラスであったため、資金流出分は、運用成績により補うことができているようだ。
ただ少し詳しく見てみるとすべてのファンドが売られているわけではないようだ。運用残高が1000億円以上あるファンドのうち、2018年の成績がマイナスのヘッジファンドからはUSD120Billion流出し、成績が0から5%であったヘッジファンドからはUSD2Billion流出していた。反対に運用残高が1000億円以上あるファンドのうち、5%以上リターンが出ていたヘッジファンドにはUSD62Billion流入していた。