日本ではあまりなじみはないが、海外ではヘッジファンドを紹介する専門家は、ゲートキーパーと呼ばれている。
ゲートキーパーとは、一般的には投資家のために金融デリバティブ商品やプライベートエクイティ投資、ヘッジファンド投資に関する評価・分析やヘッジファンドの紹介、ポートフォリオのアドバイスを行う専門家を指す。また様々なヘッジファンドに投資するファンド・オブ・ファンズの運用者のことを意味する場合もある。
なぜゲートキーパー(門番)といわれるかは諸説あるが、運用戦略から投資対象まで玉石混合であるヘッジファンドやプライベートエクイティ等を、門番として審査することから呼ばれているという見方が一般的のようだ。ゲートキーパーが紹介するヘッジファンドは、機関投資家などが要求する透明性や公正性を確保するため、通常第三者の監査法人の監査やカストディアン(信託銀行)、プライムブローカーやアドミニストレーター(事務管理会社)等が整備されたヘッジファンドとなる。
ヘッジファンドに投資するには投資家自身が、数多くあるヘッジファンドの中から自らの調査分析により適当なヘッジファンドを見出す必要があるが、ゲートキーパーを使うことによりこうした手聞や時間を省くことができる。
ヘッジファンドは通常、公募をしておらず、複雑な仕組みであることが多い。公募していないため通常の投資家は情報にアクセスすることも困難だが、さらに内容を理解することはもっと難しい。一見安定的な運用実績のファンドであっても、オプションのようにテールリスクを取っている場合もあり、投資判断には専門的な知識が必要となる。こうした手間や時間、足りない知識を補う手段として、ゲートキーパーは生まれたと考えられる。