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インド株の特徴は?魅力と今後の見通しを徹底解説【2025年2月更新】
近年、インド株は世界中の投資家から注目を集めています。特に2024年は、インド最大の政治イベントであるローク・サバ(下院)選挙が行われ、与党連合の勝利による政治的安定が期待されるなか、株式市場は大きく揺れ動きました。選挙後は、政府が進めるインフラ投資や製造業振興などの政策が引き続き推進される見通しとなり、国内外の投資家がインド市場に資金を振り向ける動きが強まっています。
一方で、インド特有の高インフレや、新興国ならではの政治・規制リスクも依然として残ります。さらに世界的には、米国連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策、中国経済の減速、中東情勢など、多方面の要因がインド株に影響を及ぼし続けています。2024年後半には外国人投資家の資金流出が目立つ局面もあり、世界経済の変動を受けやすいインド株ならではのボラティリティの高さが改めて認識されました。
それでも、中長期的に見るとインドには「人口ボーナス」や「内需拡大」「IT・デジタルサービスの競争力」「製造業の再編(いわゆる“中国+1”戦略)」など、堅調な成長を支える要素が数多く存在します。IMFや世界銀行、モルガン・スタンレーといった主要機関はいずれも、2025年以降のインドの経済成長率を6〜7%前後と予測しており、世界主要国の中でも高い伸びが期待されています。
こうした背景から、インド株投資は「高い成長余地とリスクの両面を備えた魅力的な投資先」として認識されるようになりました。本記事では、2024年のインド経済・株式市場の動向を踏まえながら、2025年以降の見通し、成長が期待される産業セクター、そして投資する際の具体的なメリット・リスクや方法について詳しく解説していきます。これからインド株への投資を検討している方はもちろん、既に投資している方にとっても、最新情報を整理するうえでお役立ていただける内容となっています。
2. 2024年のインド経済概況
2-1. GDP成長率・インフレ率・政策金利の推移
GDP成長率の推移
2024年のインド経済は、前年度(2023年度)の力強い成長(8%超)から一服しており、政府や主要機関の推計では6.4%前後の成長率になると見込まれています。
- 製造業や一部サービス業の伸び悩み
- 高インフレ・高金利による個人消費の抑制
- 世界経済の減速に伴う輸出需要の伸び鈍化
一方で、農業生産の持ち直しや政府のインフラ投資が内需を下支えしており、総じて堅調な水準を維持しているのが特徴です。
インフレ率の動向
インド準備銀行(RBI)はインフレ目標を「4%±2%」に設定していますが、2024年は食料品価格の高騰を主因に、その目標上限付近の5〜6%台で推移する場面がありました。特にモンスーン期の不安定な天候による野菜や穀物価格の上昇が懸念材料となり、小売物価指数(CPI)は一時6%台に達しています。後半には野菜や穀物の供給改善によりインフレ圧力がやや和らぎましたが、依然としてインフレ管理はRBIにとって最優先課題です。
政策金利(RBIのスタンス)
RBIはインフレを抑制するため、2023年から引き締め的な金融政策を続けてきました。2024年も政策金利(レポレート)を6.50%程度に据え置き、インフレ動向を注視する姿勢を維持しています。足元では金融政策スタンスを徐々に「中立寄り」に移行する姿勢が示唆されており、早ければ2025年に利下げを開始する可能性があるとの見方も出ています。
2-2. インド株式市場に影響を与えた主な出来事
2024年ローク・サバ選挙の結果
2024年春に行われた下院選挙では、与党連合が勝利し、ナレンドラ・モディ首相が続投する形となりました。政治的安定とインフラ投資・製造業振興を中心とする政策が継続されるという見方から、市場は選挙直後に大きく上昇。主要株価指数のNIFTY50やSENSEXは一時過去最高値を更新し、外国人投資家(FPI)からの資金流入も増加しました。
政府の政策変更(インフラ投資・製造業振興など)
選挙後に成立した2024年度予算では、インフラや製造業分野への巨額投資を継続する一方、財政健全化にも配慮した内容となっています。特に、
- インフラ整備(道路・鉄道・港湾等)
- 「メイク・イン・インディア」推進による製造業拡大
- デジタル・インディア施策を支えるITインフラ充実
といった領域に積極的に予算が割かれました。ただし選挙後の財政負担を考慮し、一部の補助金や公共支出が縮小される動きもあり、企業業績への影響が見え始めたことで市場の警戒感が高まる場面もありました。
グローバル要因(FRBの金融政策・中国経済の減速・地政学リスク)
- 米国FRBの利上げ長期化
米国の高金利継続は新興国からの資本流出要因となり、インド株にも断続的な売り圧力がかかりました。しかし、米国内のインフレがやや落ち着きを見せ始めると、利上げ終了・利下げ転換の観測が広がり、再度資金流入が強まるなど乱高下が続いています。 - 中国経済の減速
不動産市場の調整や内需低迷が続く中国の影響で、世界的な貿易需要の伸びが鈍化し、インドの輸出にも逆風となりました。一方で、「中国+1」戦略の流れによる製造拠点移転や、コモディティ価格の落ち着きなど、インドにとってはプラス面も存在します。 - 地政学リスク(中東情勢など)
中東での紛争激化は原油価格を押し上げるリスクを抱えており、原油輸入大国であるインドにとってはマイナス要因です。また、米国大統領選の結果次第では、対中制裁強化や保護主義的な通商政策への懸念が高まり、新興国全体の投資マインドを左右する可能性も示唆されています。
総合的にみると、2024年のインド経済は堅調な内需と政府の積極的な政策に支えられ、世界平均を上回る成長率を維持しました。一方で、高インフレや海外投資資金の流出入、地政学リスクなど、不安定要素が残ることも事実です。これらを踏まえて、2025年以降の見通しをどう見るかが、今後のインド株投資のポイントと言えるでしょう。
3. インド株の特徴・魅力
インド株が高い注目を集める背景には、他の新興国市場と一線を画す「独自の強み」が存在します。ここでは、大きく2つの視点からインド株の魅力を整理します。
3-1. 人口構成・内需拡大
若年層の多さと人口ボーナス期
インドの人口は2023年時点で約14億人に達し、中国を抜いて世界最大規模になったという推計もあります。さらに、平均年齢が約28歳と若く、世界最大規模の労働力を抱える国として今後も長期的な経済発展が見込まれています。こうした「人口ボーナス期」は、個人消費や住宅・インフラ需要の拡大をもたらし、株式市場にとっても大きな追い風です。
1.中国 | 1,433,784 |
2.インド | 1,366,418 |
3.米国 | 329,065 |
人口ボーナス期 | 株価上昇 | |
日本 | 1965~2002年 | 8.5倍(1964年~2002年) |
中国 | 1995年~2030年 | 5.4倍(1994年~2022年9月) |
インド | 2020年~2055年 | 1.6倍(2019年~2022年9月) |
旺盛な内需と消費市場
インドは所得水準や生活様式の多様性が大きいものの、中間所得層の増加が加速しており、スマートフォンや自動車など耐久消費財の需要拡大も顕著です。農村部においても、農業の生産性向上やデジタル化の普及によって購買力が向上し始めており、これらの要素が内需を下支えする重要な要因となっています。内需主導型の成長は、世界経済が減速した場合でもインド経済を比較的安定させる強みとして注目されています。
2017年 | 6.8% |
2018年 | 6.4% |
2019年 | 3.7% |
2020年 | -6.6% |
2021年 | 8.9% |
2022年 | 8.7% |
2023年(予想) | 7.7% |
3-2. 新たな成長エンジン:製造業・IT・デジタル化
「メイク・イン・インディア」による製造業振興
ナレンドラ・モディ政権が掲げる「メイク・イン・インディア」政策は、製造業育成や雇用創出を目指す国家プロジェクトです。生産連動型インセンティブ(PLI)制度などによって、スマートフォンをはじめとする電子機器や自動車、電気自動車(EV)、さらには半導体関連の分野でも、海外企業のインド進出が進んでいます。
- 政府の積極的なインフラ投資: 道路、鉄道、港湾などの整備は物流コストを引き下げ、製造業の拡大を後押し
- 「中国+1」戦略の恩恵: 世界的なサプライチェーン再編の中で、インドが新たな製造拠点候補として台頭
これらの動きが、インド株式市場における製造業セクターの成長余地を広げています。
ITサービス・デジタル産業の競争力
インドは、ITサービス産業で既に世界的な存在感を放っています。2024年~2025年には米欧のデジタルトランスフォーメーション(DX)需要が再加速する見込みがあり、ソフトウェア開発・アウトソーシングを強みとするインド企業の受注拡大が期待されています。
- 豊富な技術人材: 世界トップクラスのエンジニアやプログラマーを輩出
- デジタル・インディア施策: 政府が推進する電子行政やオンライン教育、医療の高度化などが国内IT市場を底上げ
- スタートアップの台頭: フィンテックや電子商取引(eコマース)、AI関連など新興分野でのユニコーン企業の誕生が相次ぐ
ITやデジタル関連企業は国際競争力が高く、インドの株式市場を牽引する代表的セクターのひとつです。国内市場の需要拡大に加え、欧米を中心としたグローバル企業からのアウトソーシング需要も堅調なため、インドIT企業の売上高・利益率は総じて高い水準にあります。
サービス業の拡大
インド経済は、製造業ではなくサービス業が主導しています。2022年の実質GDPに占めるサービス業の割合は54.2%で、製造業(32.4%)を上回っています。特に、ITや金融、医療などのサービス業が成長を牽引しています。以下は、GDPの中で大きな割合を占めるサービス業です。
- 情報通信サービス:14.1%
- 金融サービス:11.2%
- 卸売・小売・ホテル・飲食サービス:10.4%
- 運輸・通信サービス:8.2%
- 社会・個人サービス:8.0%
- 教育サービス:5.8%
- 不動産・事業所向けサービス:5.0%
- 政府サービス:4.9%
4. 2025年のインド株式市場の見通し
2024年後半のインド株式市場は、ローク・サバ選挙終了による政治的安定や内需拡大の追い風が続く一方で、米国連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策や地政学的リスクなど、外部環境の不確実性に直面してきました。しかし、主要な国際機関や投資銀行は、2025年に向けてインドが引き続き高い成長を維持すると予測しています。ここでは、2025年の見通しを大きく3つの観点から整理します。
4-1. 主要機関(IMF・世界銀行・RBI・投資銀行など)の経済成長予測
IMF・世界銀行の見解
- IMF(国際通貨基金): 2025年のインドの実質GDP成長率を約6.5%と予測。世界主要国の中でも高水準の成長を維持し、インフレが徐々に落ち着く中で内需主導の拡大が続くと見られています。
- 世界銀行: 最新のレポートで2024/25年度の成長率を7.0%近辺とやや強気に評価。政府のインフラ投資や生産連動型インセンティブ(PLI)制度などの政策効果が本格化し、製造業やサービス業が堅調に推移するとしています。
インド準備銀行(RBI)のスタンス
- RBIは2024年以降もインフレ抑制を優先しつつ、経済成長とのバランスを模索。早ければ2025年にも段階的に利下げを開始するとの見方があり、内需や企業投資マインドの改善を後押しする可能性があります。
投資銀行各社の予測
- モルガン・スタンレーやゴールドマン・サックスなどは、インドの内需拡大と政策面の安定性から、2025年も新興国の中で「最も魅力的な投資先のひとつ」として注目。とりわけ製造業やIT、デジタルサービス、再生可能エネルギー分野を成長の柱と捉え、6〜7%の成長が持続すると見込んでいます。
4-2. 投資家のセンチメント
外国人投資家(FPI)の動向
米国の金融政策とインドの金利差、さらにはドル・ルピーの為替レートの変動が、引き続き外国人投資家(FPI)の資金フローに大きな影響を与えると考えられます。
- FRBの金融政策転換に対する期待: 2024年後半から米国の引き締め姿勢が和らぐ観測が広がれば、インドを含む新興国市場へ再び資金が流入しやすい環境が整う可能性があります。
- 中長期的なインドの成長ストーリー: 「人口ボーナス」「インフラ投資」「IT・製造業の競争力」などのテーマは根強い人気があり、短期的な資本流出があっても長期投資家はインドへの投資配分を維持・拡大する傾向が続きそうです。
国内投資家(個人投資家・機関投資家)の動向
国内の個人投資家によるミューチュアルファンドや積立投資(SIP)への資金流入は、過去数年にわたり右肩上がりを続けています。インド国内の金融リテラシー向上や、株式投資を中心とした資産形成ニーズの高まりにより、2025年以降も安定的な買い支え要因となるでしょう。また、国内機関投資家(年金基金・保険会社など)も株式投資へのシフトを進めており、外国人投資家の売り圧力を吸収できる土台が整いつつあります。
4-3. 成長が期待される産業セクター
1. インフラストラクチャー
政府主導のインフラ投資(道路・鉄道・港湾など)は、2025年も経済成長をけん引する主要テーマのひとつとなります。大規模な都市開発やメトロ計画、新空港建設などのプロジェクトが進行中で、建設関連や資材、輸送サービスなど幅広い企業が恩恵を受ける可能性があります。
2. 製造業(電子機器・自動車・EV・半導体など)
「メイク・イン・インディア」政策の加速により、電子機器の現地生産拡大や自動車(特に電気自動車)分野での投資が活発化しています。国際企業の工場誘致や、PLI制度による設備投資支援も続くと見られ、サプライチェーン全体に新たなビジネスチャンスが生まれそうです。
3. IT・デジタルサービス
インドのIT企業は、欧米の企業向けアウトソーシングやソフトウェア開発をはじめ、DXやクラウドサービス、AI分野にも勢力を拡大しています。2025年以降も世界規模でIT需要が増すなか、優位性を維持するインド企業には引き続き高い成長が期待されます。
4. 再生可能エネルギー
クリーンエネルギーの拡大はインド政府の重要政策の一つ。太陽光・風力発電の大規模プロジェクトや、グリーン水素の開発など、再生可能エネルギー分野に対する投資が拡大しています。海外からの資本や技術提携の動きも活発で、環境関連セクターが中長期的に成長するポテンシャルを秘めています。
こうしたセクターの成長は、内需主導型の経済構造と海外市場の需要を同時に取り込むことで、インド経済をさらに押し上げることが期待されています。2025年も引き続き政策的な追い風が続くと見込まれるため、インド株は世界の投資家にとって「高成長と多様なセクター機会が期待できる有力市場」として注目されるでしょう。
5. インド株に投資するメリットとリスク
インド株は高い成長が期待できる一方、新興国市場として特有のリスクも内包しています。投資判断を行う際には、ポジティブ面・ネガティブ面の両方をしっかりと認識することが重要です。
5-1. メリット
1. 高い経済成長率を享受できる可能性
- 人口ボーナスの恩恵: インドの若年人口がもたらす消費拡大、労働力の増加がGDP成長を下支え
- 継続的なインフラ投資・製造業振興: 「メイク・イン・インディア」政策やインフラ整備によって、内需と輸出の両面で成長機会が増大
- 豊富なIT人材: 世界的に需要拡大が続くIT・デジタルサービス分野でのインド企業の競争優位性
2. 多様な投資セクターへのアクセス
- 製造業: 電子機器、自動車、EV、半導体分野など、世界需要の変化を取り込むチャンス
- ITサービス: アウトソーシングや先端技術サービスの強みは世界有数
- 再生可能エネルギー: 太陽光・風力・グリーン水素など、新興セクターの成長ポテンシャル
- 国内消費関連: 小売り、金融、通信、医療など、多岐にわたる内需セクター
3. 「中国+1」戦略の恩恵
地政学的リスクや供給網の分散を意識する企業が増える中で、インドは「中国+1」の生産拠点として注目度が高まっています。世界的なサプライチェーン再編の動きに伴い、製造拠点・投資資金がインドに流入することで、関連企業の売上・利益拡大が期待できます。
4. 長期視点での安定した資金流入
インド国内の機関投資家や個人投資家による株式投資が増加しており、SIP(積立投資)やミューチュアルファンドを通じた安定的な資金流入が市場を下支えしています。短期的に海外資金が流出しても、国内資金が買い支えることで暴落を回避するケースが増えてきています。
5-2. リスク・注意点
1. 新興国ならではの政治・政策リスク
- 選挙結果や政策変更: 2024年のローク・サバ選挙のように、政権交代や政策の優先度変更が起こると市場が大きく変動する可能性
- 不透明な規制環境: インフラ開発や外資規制など、短期間でルールが変わることもあり、投資計画に影響を及ぼす
2. 為替リスク(ルピー安・円安など)
- 通貨変動: 米ドルや円に対するルピー安が進行すると、円建て資産の価値に影響を与える
- 送金コスト: インド株に直接投資する場合、現地通貨への交換時のコストも考慮する必要がある
3. 地政学リスク・グローバル要因
- 米国の金融政策: FRBの利上げ・利下げでドルが動くと、新興国市場への資金流入・流出を左右
- 中国経済の減速: 貿易の相手先としての影響や、世界的な需要減退がインドの輸出産業を下振れさせる可能性
- 原油価格の変動: 原油輸入大国であるインドは、原油価格の急騰に弱く、経常収支やインフレ率が悪化するリスクがある
4. バリュエーション面の割高感
インド株は近年の大幅上昇や成長期待を背景に、PER(株価収益率)やPBR(株価純資産倍率)が相対的に高水準となっている銘柄も少なくありません。他の新興国市場と比較すると、すでに「割高」な評価がついている場合があり、投資時期の見極めが重要です。
総じて、インド株は高成長の恩恵を享受できる魅力的な投資先である一方、為替や政治、国際情勢などのリスク要因も多岐にわたります。投資を検討する際には、自身のリスク許容度や投資期間を踏まえてポートフォリオを組み、適切な分散投資や情報収集を行うことが不可欠です。
6. インド株投資の方法
インド株への投資は、国内で購入可能な投資信託やETFを利用する方法と、現地口座を開設して個別銘柄を直接売買する方法、大きく2つに分けられます。ここでは、それぞれの特徴とメリット・デメリットを整理します。
6-1. 国内で購入できるインド関連ETF・投資信託
1. 投資信託(ファンド)の利用
- 概要
日本の証券会社や銀行などで購入できる「インド株式を投資対象とした投資信託」を通じて間接的にインド株に投資する方法です。複数のインド企業へ分散投資する仕組みになっているため、個別株を選定する手間やリスクを軽減できます。 - メリット
- 少額から購入可能で、積立投資にも対応している場合が多い
- 投資の専門家が運用を行うので、情報収集や銘柄選びの負担が少ない
- 経費(信託報酬)はかかるが、分散投資の恩恵を得やすい
- デメリット
- 信託報酬などの運用コストが発生する
- ファンドごとに運用方針・組入銘柄が異なるため、内容をしっかり確認する必要がある
具体的な商品例
- iTrustインド株式
- 運用会社:ピクテ・ジャパン株式会社
- 特徴:インドの成長性が期待される金融やITなどのセクターに重点を置いたアクティブファンド。
- 運用実績:2020年以降、トータルリターンが高く評価されており、NISAの成長投資枠およびつみたて投資枠で購入可能です
president.jp
- iFreeNEXT インド株インデックス
- 運用会社:大和アセットマネジメント株式会社
- 特徴:Nifty50指数(インドの主要50社の株価指数)に連動するインデックスファンド。低コスト(信託報酬約0.47%)で、インド市場全体に分散投資できる点が魅力。
president.jp
2. インド関連ETF(上場投資信託)の利用
- 概要
東京証券取引所などに上場しているインド関連のETFを購入することで、インド株式市場の主要指数(例:NIFTY50)を中心としたパフォーマンスに連動する投資が可能です。株式と同じように取引時間中に売買できるのが特徴です。 - メリット
- リアルタイムで売買でき、価格透明性が高い
- 一定の分散効果があり、個別銘柄投資よりリスクを抑えられる
- 信託報酬は投資信託よりも低めに設定されているケースが多い
- デメリット
- 銀行窓口では購入できず、証券会社口座の開設が必要
- インド市場が休場の場合でも、日本の市場時間に合わせた価格形成になるため、現地の実勢から乖離するリスクがある
具体的な商品例
- NEXT FUNDS インド株式指数・Nifty50連動型上場投信(証券コード:1678)
- 運用会社:野村アセットマネジメント株式会社
- 特徴:Nifty50指数に連動してインドの主要株に投資。国内取引所に上場しているため、国内の証券会社で簡単に購入可能です。信託報酬は約1.045%とやや高めですが、先物などを組み合わせた運用で指数連動性を高めています
finance.yahoo.co.jp
- ウィズダムツリー インド株収益ファンド(EPI)
- 運用会社:ウィズダムツリー
- 特徴:ニューヨーク証券取引所に上場している海外ETFで、ウィズダムツリー・インド・アーニングス・インデックスに連動。476銘柄に分散投資し、金融、エネルギー、素材など幅広いセクターに投資できるため、インドの収益成長を取り込むことが期待されます
president.jp
6-2. 投資方法選択のポイント
- 投資期間・スタイルに合わせた選択
- 長期分散投資: 投資信託やETFで、市場全体の成長を狙う
- 短期売買や個別銘柄投資: 海外口座開設に踏み切り、詳細な企業分析に基づいて直接投資
- コスト面の比較
- 信託報酬や売買手数料、為替手数料などのコストを総合的に確認
- 投資信託・ETFの場合は運用コスト(信託報酬)、海外直接投資の場合は送金手数料・外国株取引手数料に留意
- 運用方針や投資リスクの理解
- 投資信託の場合は運用するファンド会社の方針(成長株重視、バリュー株重視、セクター特化など)を把握
- 直接投資の場合は会社ごとの財務状況、インド国内での市場競争力、為替リスクを十分調査
- 税制・申告の確認
- 国内ファンドやETFなら、日本国内の課税スキーム(譲渡益・配当益に対する20.315%課税など)が適用され、特定口座(源泉徴収あり)を利用可能
- 海外直接投資の場合、配当金・譲渡益の扱いが異なり、自分で確定申告が必要なケースも
このように、インド株へ投資する方法にはさまざまな選択肢があります。最終的には、投資目的や資金規模、リスク許容度、情報収集の手間などを考慮して最適な方法を選ぶことが大切です。投資信託やETFなどの「間接投資」で手軽に始めるのか、インド市場の個別銘柄をしっかり分析し「直接投資」に挑戦するのか、自身の投資スタンスに合わせて検討してみてください。
7. まとめ:インド株投資のポイント
2024年のインド株式市場は、ローク・サバ選挙による政治的安定や内需拡大が好材料となる一方、高インフレや米国FRBの金融政策、地政学リスクによる海外資金の流出など、不安定な要因も併存しました。しかし、IMFや世界銀行など主要機関の予測では2025年も6~7%前後の成長率を見込み、中長期的にはなお大きな伸びしろがあると期待されています。以下に、インド株投資を検討する上で押さえておきたいポイントを総括します。
1. 高成長とボラティリティの両面を理解する
- 魅力: 「人口ボーナス」「政府の製造業振興」「強力なIT産業」など、他の新興国よりも安定した成長の可能性
- 注意点: 高インフレや為替リスク、地政学リスクなどによる価格変動が大きく、新興国ならではのリスク管理が必要
2. 投資方法を目的やリスク許容度で選ぶ
- ETF・投資信託: 少額から分散投資が可能で、運用の手間が少ない
- 直接投資(海外口座): 銘柄選定の自由度は高いが、情報収集や税務面の手間がかかる
3. 成長セクターを意識したポートフォリオ構築
- インド政府の政策から恩恵を受ける「インフラ」「製造業」「IT」「再生可能エネルギー」などを検討
- 「中国+1」戦略で生産拠点がシフトしている製造業や、世界的に需要が拡大するIT・デジタルサービスへの注目
4. 海外要因とインド国内事情を常にチェック
- 海外要因: 米国の金利動向やドル高・ドル安の振れ、世界的な景気後退リスクなど
- 国内要因: 選挙や政策変更、地方の経済改革などによるインド市場への直接的な影響
5. 長期目線での投資戦略を立てる
- 継続的な経済成長: 内需拡大や豊富な労働力を背景に、中長期的な上昇トレンドが期待される
- ドルコスト平均法(積立投資)の活用: ボラティリティの高い市場でも、時間分散によってリスクを抑えられる
インド株は、将来的に大きく成長する余地がある一方で、グローバルな資金の動きに左右されやすい側面も持ち合わせています。投資を検討する際は、自分がどの程度の期間とリスク許容度で運用するのかを明確にし、必要に応じて専門家のアドバイスを活用しながら戦略を立案すると良いでしょう。日本国内で投資が容易になっていることもあり、インドの高い経済成長を取り込むチャンスは広がっていますが、焦らず着実に情報収集・資産配分を行うことが成功への第一歩です。