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クレディスイス系のキューブリサーチ&テクノロジーズは運用資産ランキングで急成長
Qube Research & Technologies (QRT)は、定量的・システマティックなアプローチを基盤とする世界的な投資運用会社です。2016年にCredit Suisseからスピンオフして設立され、2024年時点で運用資産は200億ドルを超え、世界のヘッジファンド市場で急成長を遂げています。特に、ショートポジション戦略で注目され、ドイツやイギリスの大手企業に対する大規模なベットで話題を集めました。
QRTは、科学的なデータ分析と最先端のテクノロジーを活用して投資を行う企業であり、グローバル市場における流動資産の運用に特化しています。同社のミッションは、データ駆動型の研究と技術を融合させ、投資家に持続的で高品質なリターンを提供することです。
次のセクションでは、QRTの投資戦略やアプローチについて詳しく見ていきます。
キューブリサーチ&テクノロジーズは運用資産ランキングで13位から3位にランクアップ
2023年、Qube Research & Technologies (QRT)は、資産規模で歴史的な成長を遂げ、同社の総資産は2,000億ドル以上増加しました。この結果、QRTはHedge Fund Alertの世界最大ヘッジファンドマネージャー200社の年間ランキングで、前年の13位から3位に急上昇しました。同社の総資産は、2023年末時点で3,490億ドルに達し、前年の1,310億ドルから大幅に増加しています。
この成長の背景には、従業員の急速な増加、強力な投資リターン、資本流入の拡大、さらなる投資機会の増加がありました。特に、QRTは2022年および2023年に20%のリターンを達成し、2024年の初めまでにさらに20%のリターンを記録しています。このような高いパフォーマンスにより、同社は投資家からの信頼を獲得し、新たな資本流入を引き寄せています。
QRTは、2018年にCredit Suisseからスピンアウトして以来、米国の投資家を対象に資産を管理していますが、米国内にオフィスを持たないというユニークなビジネスモデルを展開しています。また、CEOのピエール=イヴ・モルラとCIOのローレント・レゼットのリーダーシップの下で、従業員数を80名から急速に増加させ、クオンツファンドを中心に成長を遂げています。
QRTの急成長は、ヘッジファンド業界全体に大きな影響を与えており、同社はMillennium ManagementやCitadelに次ぐ存在となっています。この成長は、業界全体においても重要な出来事であり、QRTが今後も世界のヘッジファンド業界でさらなる存在感を示すことが期待されています。
キューブリサーチ&テクノロジーズの投資戦略とアプローチ
Qube Research & Technologies (QRT)の投資戦略は、データ駆動型のシステマティックアプローチに基づいています。QRTは、2015年に設立され、2017年にCredit Suisseからスピンアウトし、現在ではロンドン、香港、ムンバイ、パリに拠点を構えるグローバルな投資マネージャーです。同社は、すべての流動資産クラスに対する投資を行い、グローバルな市場での非効率性を利用することで、安定したリターンを提供しています。
データ駆動型の投資戦略
QRTの中心的な投資手法は、膨大な市場データをリアルタイムで分析し、高度なアルゴリズムを活用して市場のトレンドや変動を予測するものです。機械学習やAI技術を積極的に採用し、投資判断を自動化することで、感情に左右されない合理的な取引を実現しています。このアプローチにより、QRTは市場の変動に柔軟に対応し、リスクを効率的に管理しています。
外部マネージャーへの投資
QRTは最近、外部マネージャーへの投資を拡大しています。2022年には、Stable Asset Managementの元CIO、ジェローム・ミュラーを外部マネージャー選定チームのリーダーとして迎え入れました。この動きに続き、2023年には、ロンドンのShadowFall Capital & ResearchとテキサスのClear Sky Advisersに対して資金を割り当てました。Clear Sky Advisersが運用する「Lucid」戦略は、脱炭素化や持続可能な消費に関連する企業にロング・ショートポジションを取る戦略で、QRTの環境志向の投資スタンスと一致しています。
また、2023年4月にはモルガン・スタンレー出身のSameer Al-Sadiを外部マネージャー選定チームに加え、さらなる強化を図りました。これにより、QRTは、特定のセクターや地域に特化した低ネットエクイティ戦略や、コモディティ、裁量マクロ戦略など多様な戦略に投資する準備を整えています。
多様な資産クラスへのアプローチ
QRTは、株式、債券、為替、コモディティ、デリバティブなど、幅広い資産クラスに投資を行っています。このように多様な資産クラスへの分散投資を行うことで、市場のボラティリティに対しても柔軟に対応し、リスクを低減しつつ高いリターンを追求しています。特に、流動性の高い資産クラスを活用することで、即時の市場変動に迅速に対応することが可能です。
リーダーシップと組織強化
QRTのCIOであるラウレント・レゼットは、2016年から同社の投資戦略をリードしています。彼はCredit SuisseのマネージングディレクターやSociété Généraleでのアービトラージ部門の責任者としての豊富な経験を持ち、QRTの成長に大きく貢献しています。また、2023年にはMan Groupの元アジアCOOであるMurray Steelがアジア地域のCOOとして採用され、アジア市場での事業拡大を推進しています。
QRTは今後も、優秀な人材の採用と技術革新に注力しながら、世界中の市場で投資家に対して安定したリターンを提供し続けることを目指しています。
キューブリサーチの2024年のさらなる発展
定量的ヘッジファンドであるQube Research & Technologiesは、2024年に入りさらなる急成長を示し、主要な3つのファンドで30%以上のリターンを記録しています。同社のQube Master Fundは、7月までの年初来リターン(YTD)で推定28.5%の成果を上げており、6月には4.6%、7月には約0.9%の上昇が報告されています。また、マルチストラテジーを採用するTorus Fundは、7月までに23.8%のYTDリターンを達成しましたが、7月には0.3%の下落が見られました。それでも、6月には約4%の上昇を記録しています。さらに、Qube Prismは今年上半期に約25%の上昇を示していると伝えられています。
これらの好成績は、過去2年、2022年と2023年の連続で2桁のリターンを達成したことに続くものです。昨年、Qube Masterは約20%のリターンを記録し、2022年には25%の成長を遂げています。現在、同社は約200億ドルを運用しており、2023年末の120億ドルから大幅に増加しています。
ロンドンに本社を構えるQubeは、近年グローバルにオフィスを拡大しており、今年初めにはゴールドマン・サックスのアジア地域のヘッジファンドコンサルティング部門の責任者であるトム・ゴーマンを香港オフィスのCOOとして採用しました。また、昨年末には同じくゴールドマン出身のアネット・ツェ氏が、外部マネージャーへの投資に特化した業務を担当するため香港オフィスに参加しています。
ブルームバーグのドイツ銀やVW株に10億ドル超の空売り、ヘッジファンドのキューブという記事では空売り銘柄TOPも開示されており、注目されています。
Qube’s top 5 disclosed shorts | Size in $m |
---|---|
Volkswagen (普通株) | -236.5 |
Rheinmetall | -157.9 |
Siemens Energy | -146.2 |
Volkswagen (優先株) | -140.1 |
Deutsche Bank | -131.8 |