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ETFって何?投資信託、ヘッジファンドと比較
「今日は日銀がETFの買い入れを行ったから、日経平均は持ち直した」
資産運用を行う方なら、一度はこういったニュースを耳にしたことがあると思います。このETFについて、なんとなくわかるけど詳しくは説明できない、という方がほとんどではないでしょうか。
ETFは株や投資信託、債券と比べて歴史の浅い投資商品です。本稿では、このETFについて投資信託やヘッジファンドと比較しながら解説していきます。
そもそもETFとは?
そもそもETFとは、Exchange Trade Fund の略称です。日本語では上場投資信託と訳され、言葉の通り上場している投資信託のような商品です。
通常の投資信託は手軽に複数銘柄に投資できますが、非上場のため市場で売買することができません。取引は1日に1回決められる基準価額で行われます。
一方、ETFは株式と同じように市場での売買が可能です。価格は日中に変動し、株式のように成行や指値といった注文が可能です。
複数銘柄に投資するという意味では同じ商品でも、投資信託よりETFの方が低コストで運用できる傾向があります。
投資信託の信託報酬は、運用会社に支払う手数料に加え販売会社(銀行や証券会社)への手数料も支払う必要がありますが、ETFでは販売会社への手数料負担は発生しません。
投資信託と株式のメリットを併せ持つような商品です。
ETFの特徴
ETFは、インデックスを参照して運用されています。
参照する指数は様々で、S&P指数や日経平均といった株式指数に連動するものから、金や原油のコモディティ、アジアの不動産に連動するマニアックなETFや指数と逆方向に動くものなど、数多くのETFが存在しています。
先に述べたコストが安い、市場でいつでも売買できるといった性質のほかにも様々な特徴があります。
・手軽に分散投資を行うことができる
例えば日経平均を参照するNEXT FUNDS 日経225連動型上場投信(銘柄コード1321)では、日経平均を構成する225銘柄に投資を行っています。取引方法やコスト面から、指数に連動するインデックス投資を行う方法として、ETFはメリットが大きいといえます。
・少額から投資することが可能
上場株式は100株単位で売買されるため、最低単元が数百万円という銘柄も存在します。ETFは1口単位での売買が可能なので比較的少額で投資することができます。
・指数と市場価格が一致しないリスクがある
市場での売買が可能ということは、需給により価格が上下するという意味も含みます。そのため、投資信託としてのETFの価値と市場でやり取りされるETFの価値に差が生じてしまうことが多々あります。
損になるタイミングで売買してしまう可能性もあるという点はデメリットにもなります。
メリット | デメリット |
低い管理費用 | 取引手数料がかかる場合がある |
高い流動性 | 市場価格が純資産価値から乖離することがある |
取引所での取引が可能 | 短期取引によるコストがかかる可能性 |
分散投資が容易 | 特定の市場やセクターへの過剰な露出リスク |
税制上の利点がある場合がある | アクティブ管理ETFの場合、管理費用が高くなることがある |
ETFと投資信託、ヘッジファンドの違い
投資信託とヘッジファンド、ETFそれぞれの違いを比較すると下表のようになります。
ETF | 投資信託 | ヘッジファンド | |
特徴 | 取引所で取引 | 取引所での取引なし | 高い手数料とパフォーマンスフィー |
流動性 | 高い | 低い〜中程度 | 低い |
最小投資額 | 比較的低い | 低い〜中程度 | 非常に高い |
透明性 | 高い | 中程度 | 低い |
管理費用 | 低い〜中程度 | 中程度〜高い | 高い |
目標 | 市場指数の追跡 | 市場平均を上回るリターン | 高リターン |
リスク | 中程度 | 中程度〜高い | 中程度〜高い |
- 特徴: ETFは取引所で取引され、日中の市場時間に購入・売却が可能です。投資信託は取引所での取引がなく、日の終わりの純資産総額で価格が決定します。ヘッジファンドは特定の戦略を用いて高リターンを目指し、高い手数料とパフォーマンスフィーが特徴です。
- 流動性: ETFは流動性が高く、容易に売買できます。投資信託は流動性が低い〜中程度、ヘッジファンドは流動性が低いです。
- 最小投資額: ETFは比較的低く、投資信託は低い〜中程度、ヘッジファンドは非常に高い最小投資額が求められます。
- 透明性: ETFは高い透明性を持ちますが、投資信託は中程度、ヘッジファンドは低いです。
- 管理費用: ETFは管理費用が低い〜中程度、投資信託は中程度〜高い、ヘッジファンドは高いです。
- 目標: ETFの目標は市場指数の追跡、投資信託は市場平均を上回るリターン、ヘッジファンドは高リターンを目指します。
- リスク: ETFと投資信託は中程度のリスクを持ち、ヘッジファンドは非常に高いリスクがあります。
4つの観点から、それぞれのメリット・デメリットを見ていきます。
- 売買のしやすさ
ETF>投資信託>ヘッジファンド
証券会社が取り扱っているETFと投資信託に比べ、ヘッジファンドは海外の運用会社に直接申し込む必要があります。
上場しており日中に価格が動くETFと1日1回は売買できる投資信託は、インターネットや電話で取引を行うことが可能です。現金化も素早く、3~6営業日で現金化できます。
ヘッジファンドは購入する際に書類を作成し、海外送金を行う必要があります。また、解約の際も1か月以上時間がかかることが普通です。
この理由は、解約を制限することで安定した運用を行うことができるからです。解約から現金化まで期間を取ることで、適切な価格で売却しファンドの運用を継続することができます。
- 相場暴落時のパフォーマンス
ヘッジファンド>投資信託≧ETF
リーマンショックのような相場暴落時には、株式や債券から金、原油まであらゆる資産が下落します。インデックスが暴落することから、これと連動するETFが下落します。(※指数と逆に動くETFであれば暴騰します)
投資信託は運用戦略が制限されているため、暴落局面では耐え切れず値下がりしてしまうものがほとんどです。インデックスを上回ることが運用目標のため、マイナスを小幅にとどめることができれば良い運用と判断されます。
ヘッジファンドは自由な運用を行うことができるため、暴落時にも空売りなどを活用して利益を狙うことが可能です。
ユニバーサ・インベストメンツのブラックスワンファンドは、2020年の1月から3月末までで+4,144%と驚異のリターンを記録しました。
これは極端な例ですが、暴落前にショートポジションを構築し利益を記録したヘッジファンドは他にも多く存在するようです。
- 富裕層が好む資産クラス
ヘッジファンド>ETF>投資信託
ヘッジファンドは株・債券などの伝統的資産と異なる値動きをする特徴があり、分散効果の高い資産です。最低金額が高く富裕層しか投資できない資産クラスですが、世界トップクラスのファンドマネージャーに運用を任せることの価値は高いと富裕層は考えています。
ETFで資産配分を分散させ、状況に合わせてリバランスやスイッチングを行う富裕層が多いようです。
投資信託が不人気な理由は、日本に優秀な投資信託が少ないからです。
日本人にもともと資産運用の文化は無く、近年になり資産形成を目的とした長期運用が必要と国が発信するようになりました。
現在はコンプライアンスが厳しくなりましたが、過去に証券会社は手数料を稼ぐため投資信託の乗換えを推進していました。販売しやすいファンドを組成し、新ファンドへ乗り換えさせる取引が多くあったといいます。
日本においてパフォーマンスの良い投資信託は乗換えのために売却され、資金流出によりパフォーマンスを悪化させることが頻繁に見られました。
資産運用が当たり前に行われている欧米では成績の良い投資信託に資金が集まるため優秀な投資信託が育ちやすいですが、資産運用の後進国である日本では優秀な投資信託が育ちにくい環境です。
おわりに
「上場投資信託」の名の通り、手軽に分散投資ができて場中に取引できるETFは効率的な運用を行うために有効な商品です。複数のETFでアセットクラスの分散を行いながら、相場の下落時にもリターンを狙えるヘッジファンドを組入れることが運用効率を高めることにつながるのではないでしょうか。