【ヘッジファンド投資をお考えの方へ】
0120-104-359
平日 10時~19時
インド株の特徴は?魅力と今後の見通しを徹底解説【2024年4月更新】
インドでは、近年経済が大きく成長しています。そして、経済成長を続けるインドは、今後株価の上昇も期待できるため、投資対象として考えても魅力的です。この記事では、インド株の魅力と、今後の見通しについて解説します。
インド市場の魅力
インドの経済成長の理由はいくつかありますが、そのひとつに「豊富な人的資源」が挙げられます。人口が多いということは国内市場が大きいので、消費需要が伸びるからです。また。労働者も多いので税収も上がりやすくなります。
高いGDP成長率
高い経済成長率
インドは、近年高い経済成長を続けています。2022年の実質GDP成長率は8.7%と、主要先進国・新興国の中で1位でした。2023年も7.7%と、世界トップクラスの成長率が予想されています。
2017年 | 6.8% |
2018年 | 6.4% |
2019年 | 3.7% |
2020年 | -6.6% |
2021年 | 8.9% |
2022年 | 8.7% |
2023年(予想) | 7.7% |
IMF – World Economic Outlook Databases (2023年10月版)
このように、インドの経済成長は勢いがあり、高いGDP成長率を誇っています。
そして、リーマンショック以降、2009年度から2018年度までの10年間、インドのGDP成長率は一貫して5%を超えているのです。コロナ後の2021年以降も引き続き5%を超えるGDP成長が続くことが期待されています。
インドのGDP成長率は、2019年度に3.74%とやや失速し、2020年度はコロナの影響もあってマイナス6.6%となりましたが、2021年は9.1%と再び高い成長率となっています。2024年もIMFの予想では6.3%の成長が
サービス業の拡大
インド経済は、製造業ではなくサービス業が主導しています。2022年の実質GDPに占めるサービス業の割合は54.2%で、製造業(32.4%)を上回っています。特に、ITや金融、医療などのサービス業が成長を牽引しています。以下は、GDPの中で大きな割合を占めるサービス業です。
- 情報通信サービス:14.1%
- 金融サービス:11.2%
- 卸売・小売・ホテル・飲食サービス:10.4%
- 運輸・通信サービス:8.2%
- 社会・個人サービス:8.0%
- 教育サービス:5.8%
- 不動産・事業所向けサービス:5.0%
- 政府サービス:4.9%
インドは人口ボーナス期へ
インドは、人口が多いのも魅力です。以下の表をご覧ください。(単位:千人 2019年)
1.中国 | 1,433,784 |
2.インド | 1,366,418 |
3.米国 | 329,065 |
現在、世界で最も人口が多い国は中国、2位はインド、3位は米国です。この順番は長い間変わっていませんが、国連の予測によると、2026-27年にはインドの人口が中国を追い抜くといわれています。
日本のような先進国では、少子高齢化によって経済が成長しにくくなっていますが、インドでは逆に人口が増え、経済成長につながる環境が整っているのです。
そして、インドは「人口ボーナス期」に入ったばかりというのも魅力です。人口ボーナス期とは、生産年齢人口(15歳以上65歳未満)が他の人口の2倍以上の規模になる時期のことです。
イーストスプリング・インベストメンツによると、日本・中国・インドの人口ボーナス期による株価上昇率は、以下の通りです。
人口ボーナス期 | 株価上昇 | |
日本 | 1965~2002年 | 8.5倍(1964年~2002年) |
中国 | 1995年~2030年 | 5.4倍(1994年~2022年9月) |
インド | 2020年~2055年 | 1.6倍(2019年~2022年9月) |
日本では1965年~2002年が人口ボーナス期で、1964年12月末から2002年12月末までに株価は8.5倍になりました。
中国は1995年~2030年が人口ボーナス期で、1994年12月末から2022年9月末までに株価は5.4倍に上昇しています。ただ、インドが人口ボーナス期に入ったのは2020年で、まだ始まったばかりなのです。そして、2021年5月末時点で株価は1.6倍にしか上昇していません。
人口ボーナス期には、生産活動の活発化により経済成長が加速し、それに伴い企業業績も拡大する傾向があるので、株価の上昇も期待できます。日本や中国に比べてインド株の上昇はまだ低いので、今後に期待できるのです。
インド株の見通し
2023年度のインド経済は、前年同期比+7.8%の成長を示しており、特に第三次産業が同+10.3%という驚異的な伸びを見せています。金融・不動産セクターは+12.2%、貿易・ホテル・交通・通信セクターは+9.2%と、特に注目すべき成長を遂げています。このポジティブな動きは、インド株市場における多くのチャンスを生み出しています。
特に金融・不動産セクターや貿易・ホテル・交通・通信セクターは、過去数四半期にわたる強い成長を示しています。これらのセクターに投資することで、インド経済の成長を取り込むチャンスが広がっています。一方で、インフレの影響を特に受けやすいセクターには注意が必要です。
2024年の4-6月期のインドの産業別成長率
2024年のインド経済は、産業別に以下の成長を示しています。
1. 第一次産業(農林水産業)
- 2024年4~6月期:前年同期比2.0%増 ジェトロ
2. 第二次産業
- 製造業:同7.0%増
- 建設業:同10.5%増 ジェトロ
3. 第三次産業
- 金融・保険、不動産・ビジネスサービス:同7.1%増
- 公共・防衛・その他サービス:同9.5%増 ジェトロ
これらのデータから、建設業やサービス業が特に高い成長を示しており、インド経済全体の成長を牽引していることがわかります。
大手資産運世会社の見通し
複数の米国の大手資産運用会社による2024年のインド株の見通しは、全体として「堅調」とされています。
具体的には、以下の点を理由に挙げています。
- インド経済の成長見通しは依然として良好
- インド企業の業績は好調に推移している
- インド株は割安に評価されている
インド経済は、2022年の実質GDP成長率が8.7%と、過去最高を記録しました。2023年も7.2%の成長が見込まれており、今後も堅調な成長が期待されています。
インド企業の業績も好調に推移しています。2022年の実質EBITDA成長率は27%と、過去最高を記録しました。2023年も20%以上の成長が見込まれており、企業収益の拡大がインド株の下支えになると期待されています。
2024年4月のインド中銀の決定会合の内容
インド準備銀行(RBI)は2024年4月5日に金融政策決定会合を開催し、政策金利(レポレート)を6.50%に据え置くことを決定しました。この決定は、6人の委員中5人の多数決で行われましたが、1人の委員は金融政策のスタンスを緩和解除から中立に変更し、金利を0.25ポイント引き下げることを提案しました。政策金利は2022年度に6会合連続で引き上げられた後、2023年度から6会合連続で据え置かれ、2024年度の第1回会合でも同様の措置が取られました。
消費者物価指数(CPI)上昇率は、2023年12月の5.69%をピークに、2024年1月は5.10%、2月は5.09%と軟化しており、RBIの目標範囲内(4%±2%)に収まっています。特に、食品価格の上昇が目立ちましたが、燃料価格は2カ月連続で低下しました。RBIは、食料価格がインフレ率に大きく影響すると予想しており、記録的な小麦生産量の増加や平年並みのモンスーン予想を好材料として挙げていますが、南部州の貯水量が低い点を懸念材料としています。これらを総合的に考慮し、2024年度のインフレ率を4.5%と予想しています。
RBIは国内経済の見通しについてもポジティブで、2023年度の実質GDP成長率を7.6%と見込み、2024年度には7.0%の成長を予測しています。成長の要因としては、平年並みのモンスーン、サービス業の成長、個人消費の活発化、民間設備投資の好転などが挙げられます。一方で、地政学的緊張や国際金融市場の不確実性、紅海情勢の混乱などのリスクも考慮する必要があるとしています。
インドの代表的な株価指数「SENSEX」の値動き
出典:ヤフーファイナンス 2024年1月12日時点
インドを代表する株価指数が「SENSEX指数」です。SENSEX指数は、ムンバイにあるインド共和国最大の証券取引所である「ボンベイ証券取引所」に上場する銘柄のうち、流動性や売買規模、業種などの点で代表的な30銘柄で構成される時価総額加重型の株価指数です。
業種別では、情報通信や金融の比重が高く、財閥系の企業が多いのが特徴。SENSEX指数は、2021年9月に初の6万台に乗せ、史上最高値を更新しました。その後はやや上値の重い展開となっているものの、2024年には7万台に乗せ史上最高値を更新しています。
インド株ではインフラ関連銘柄に注目
インドのインフラ関連銘柄は、株価が堅調に推移しているセクターの1つです。インドは新型コロナウイルスの蔓延で悪化した経済を活性化させるため、2021年2月に前年度比34%増の設備投資を含む2021年度の国家予算案を発表。インフラ投資にさらに注力することを表明しました。これは、インフラ関連銘柄にとって有利な投資環境と言えます。
2021年度(2021年4月~2022年3月)の 予算案は、以下の6つの柱から構成されています。
1.健康と福祉
2.金融資本・インフラの充実
3.上昇志向のインドへ向けた包括的な開発
4.人的資本の再活性化
5.イノベーションと研究開発
6.最小の政府・最大のガバナンス
さらに、モディ首相は2021年8月15日の独立記念日の演説で、景気浮揚と雇用創出のためにインフラ整備にさらに力を入れる意向を表明しました。インフラ整備はモディ政権が掲げる「メイク・イン・インディア」を実現するための重要な政策であり、今後もインフラ投資を強力に推進することが期待されます。
日本の証券会社でインド株を直接買うことはできない
残念ながら、日本の証券会社で直接インド株を買うことはできません。しかし、インド株に投資する方法はいくつかあります。インド株ADR(米国預託証券)、投資信託、海外ETF(上場投資信託)などです。これらの金融商品を通じて、間接的にインド株に投資できるのです。
とくに投資信託やETFはインドの企業に幅広く分散投資できるのでオススメです。インド株に投資する代表的な投資信託や ETF を紹介します(数値は2022年3月末時点)。
イーストスプリング・インド・インフラ株式ファンド
基準価額 17,720円
信託報酬 1.9497%(年率・税込)
純資産残高 400.6億円
騰落率
1ヵ月 | 3ヵ月 | 6ヵ月 |
6.27% | 9.88% | 17.96% |
1年 | 3年 | 5年 |
39.35% | 31.56% | 19.64% |
設定来 | ||
217.78% |
主にインドの金融商品取引所に上場しているインフラ関連銘柄に投資し、長期的な成長を目指すファンドで、原則として為替ヘッジを行いません。インドでは、高い経済成長を維持するためにインフラ整備が不可欠で、インフラ関連銘柄は中長期的に魅力的な投資対象であると考えています。(2022年3月末時点)
野村インド株投資
基準価額 44,622 円
信託報酬 2.2%(年率・税込)
純資産残高 4,055.4 億円
騰落率
期間 | フアンド |
1力月 | 3.9% |
3力月 | 4.9% |
6力月 | 17.7% |
1年 | 18.0% |
3年 | 82.5% |
インド企業を中心に、収益性、成長性、安定性、バリュエーションなどを考慮して選定した銘柄に投資します。そして、「MSCIインド・インデックス(税引後配当込み・円換算ベース)」を上回る投資成果を目指します。(2022年3月末時点)
野村インド株は一度2018年ごろに運用残高が5000億を突破した後緩やかに残高を減らしていましたが、ここ1年ほどで徐々に残高が増えてきています。
インド株 ETF
インド株にはETF(上場投資信託)を通じても投資できます。ETFは、Exchange Traded Fundの略で、「上場投資信託」とも呼ばれます。ETFは、投資信託と同じように証券取引所に上場しているので、株式と同じようにリアルタイムで取引できるというメリットがあります。
・iシェアーズS&P BSEセンセックス・インディア ETF (2836)
・ウィズダムツリー インド株収益ファンド (EPI)
が代表的な銘柄です。ただし、海外ETFになるので外国証券取引口座が必要になる点には注意してください。ネット証券では、SBI証券、マネックス証券、楽天証券で取引できます。
サクっとインド株式(SBI・i シェアーズ・インド株式インデックス・ファンド)
2023年以低コストのインデックスファンドが発売されました。その名もサクッとインド株式です。特に目を引くのはその信託報酬です。実質的なコストは年0.4638%と直接投資ができないインド株式へ低コストで投資したい投資家のニーズをつかみそうなファンドとなっています。
サクっとインド株式のインデックスはインドSENSEX指数
投資対象として選ばれている企業は、リライアンス・インダストリーズ、HDFC銀行、タタ・コンサルタンシー・サービシズなど、インドを代表する大企業です。これにより、投資家はインド経済の動向と密接にリンクした投資を行うことができます。
業種別では、金融が41%と最も多く、次に情報技術が14%、エネルギーが12%、生活必需品が9%となっており、これらの4業種で全体の76%を占めています(2023年7月末現在)。この組成から、ファンドは特に金融業界に重点を置いており、次いでITやエネルギー、生活必需品業界に投資しています。
まとめ
インドは2020年から人口ボーナス期に入り、今後も高い経済成長が期待できます。また、ロシアのウクライナ侵攻により世界経済の不安定さは高まっていますが、インドへの影響は欧米などに比べて比較的少なくなっています。
インド株への投資は魅力が高いので、分散投資の一環として投資を検討してみてはいかがでしょうか。