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米国債投資の方法は?メリットと注意点を紹介
米国債、これは多くの投資家が注目する資産の一つです。特に2022年、世界の株式市場が大きく動き、米国では40年ぶりのインフレや32年ぶりの円安など、多くの不安要因が浮上しています。そんな中、なぜ多くの人々が米国債投資を選択しているのでしょうか。この記事では、米国債の基本的な概念や米国債投資の方法について詳しく解説します。
米国債への資金流入が記録的なペースで増加、現金も強い-BofA
米国債投資が人気の理由
米国債、特にアメリカの国債は、世界中の投資家や国々にとって魅力的な投資先として認識されています。その背後には、いくつかの明確なメリットが存在します。このセクションでは、米国債の主なメリットについて詳しく探ります。
- 安定性: 米国は世界最大の経済大国であり、その信用力は非常に高いと広く認識されています。そのため、米国債は「安全資産」としての位置づけを受けており、経済的な不安定さや市場の混乱時にも安定したリターンを提供することが期待されます。
- 利回りの魅力: 現在の低金利環境下でも、米国債の利回りは他の先進国の国債と比較して高い水準を維持しています。これは、投資家にとって魅力的な収益機会となっています。
- 流動性: 米国債市場は世界最大の債券市場であり、非常に高い流動性を持っています。これにより、投資家は必要に応じて迅速に資産を売却することができ、資金の移動が容易です。
- 多様な商品ラインナップ: 米国債には、短期から長期までさまざまな期間のものが存在します。これにより、投資家は自身の投資目的やリスク許容度に合わせて適切な商品を選択することができます。
- 為替リスクのヘッジ: 米国債はドル建てで取引されるため、他の資産との組み合わせにより、為替リスクのヘッジとしても利用することができます。
以上のように、米国債はその安定性、利回り、流動性などのメリットから、多くの投資家にとって魅力的な投資先となっています。しかし、投資にはリスクも伴いますので、十分な情報収集と検討を行った上で、適切な投資判断を下すことが重要です。
米国債の種類と特徴
米国債は、アメリカ合衆国政府が発行する債券で、世界中の投資家から高い信頼を受けています。その背景には、アメリカが世界最大の経済大国であること、そして米国債が非常に流動性が高いことが挙げられます。ここでは、米国債の主な種類とそれぞれの特徴について詳しく見ていきましょう。
- T-BILL(Treasury Bill)
- 期間: 数日から52週間
- 種類: 割引債
- 特徴: 短期間での資金調達を目的として発行される。満期時に額面金額が支払われる。
- T-NOTE(Treasury Note)
- 期間: 2年、3年、5年、7年、10年
- 種類: 利付債
- 特徴: 中期の資金調達を目的として発行。定期的に利息が支払われる。
- T-BOND(Treasury Bond)
- 期間: 30年
- 種類: 利付債
- 特徴: 長期の資金調達を目的として発行。定期的に利息が支払われる。
- インフレ連動債(TIPS:Treasury of Inflation Protected Securities)
- 特徴: 元本とクーポンが物価指数上昇率に連動する。
- ストリップス債(STRIPS:Separate Trading of Registered Interest and Principal of Securities)
- 特徴: 利付債の元本部分と利札部分を分離し、それぞれを割引債として販売する。
米国債は、その安全性と流動性の高さから、多くの投資家や国が外貨準備として保有しています。しかし、米国の経済状況や金利動向、為替レートの変動など、様々な要因によって価格や利回りが変動するため、投資を行う際には十分な情報収集とリスク管理が必要です。
項目 | T-BILL | T-NOTE | T-BOND | TIPS インフレ連動 | STRIPS |
---|---|---|---|---|---|
期間 | 数日から52週間 | 2年、3年、5年、7年、10年 | 30年 | – | – |
種類 | 割引債 | 利付債 | 利付債 | – | – |
特徴 | 短期間での資金調達を目的として発行される。満期時に額面金額が支払われる。 | 中期の資金調達を目的として発行。定期的に利息が支払われる。 | 長期の資金調達を目的として発行。定期的に利息が支払われる。 | 元本とクーポンが物価指数上昇率に連動する。 | 利付債の元本部分と利札部分を分離し、それぞれを割引債として販売する。 |
事例で分かる米国債の使い分け方
機関投資家は、投資戦略や目的に応じて米国債の種類を使い分けます。以下は、機関投資家が米国債を使い分ける典型的な事例をいくつか紹介します。
投資目的 | 事例 | 米国債の種類 | 対応理由 |
---|---|---|---|
短期的なキャッシュフローの管理 | 大手の年金基金が年末に一時的なキャッシュの過剰を抱える場合 | T-BILL (Treasury Bill) | 短期間で満期を迎えるため、一時的なキャッシュの過剰を効果的に管理するのに適している |
中長期的な安定した収益を求める | 保険会社が将来の保険金支払いに備えて安定した収益を求める場合 | T-NOTE (Treasury Note), T-BOND (Treasury Bond) | 定期的な利息が支払われ、中長期的な安定した収益を提供するのに適している |
インフレリスクへのヘッジ | 投資信託の運用会社がインフレのリスクを考慮してポートフォリオを構築する場合 | TIPS (Treasury of Inflation Protected Securities) | 物価指数の上昇率に連動して元本やクーポンが調整されるため、インフレのリスクから資産を守るのに適している |
高い流動性を求める | 投資銀行やヘッジファンドが市場の動きに迅速に対応するための資金を確保したい場合 | T-BILL (Treasury Bill), T-NOTE (Treasury Note) | 市場での取引が活発で、迅速に現金化することができるので高い流動性が求められる場面に適している |
これらの事例を通じて、機関投資家は米国債の種類を使い分けることで、様々な投資目的やリスク管理のニーズに対応しています。個人投資家も上記を参考に使い分けしてみるとよいかもしれません。ただ個人投資家の場合Treasury Noteかストリップス債が基本になると思います。
【補足】利付債と割引債の特徴
項目 | 割引債 | 利付債 |
---|---|---|
利息の支払い | なし(満期時の償還額と発行価格の差が利益) | 定期的に支払われる |
発行価格 | 額面価格より低い | 通常は額面価格に近い、もしくはそれ以上 |
満期時の償還 | 額面価格 | 額面価格 |
資金調達の期間 | 短期間 | 中長期 |
利子の支払いに関する利点 | 定期的な利息の支払いを避けることができる | 投資家は定期的なキャッシュフローを受け取ることができる |
市場の利率環境 | 高利環境での短期資金調達に適している | 低利環境での長期の低い借入コストを確保できる |
財務諸表上の表示 | 短期の負債として表示される場合が多い | 長期の負債として表示される |
米国債にはいつ投資すればよいのか?
米国債に投資するのにお勧めのタイミングはいつでしょうか?以下に、債券投資でリターンが出やすい状況と、損をしやすい状況を解説します。
リターンが出やすい状況:
- 金利の低下: 債券の価格は、金利と反対方向に動く傾向があります。したがって、金利が低下すると、既存の債券の価格は上昇することが多いです。
- 信用スプレッドの縮小: 信用リスクの高い債券(例: ハイイールド債、新興国債)の場合、企業業績が安定して信用スプレッドが縮小すると、その債券の価格が上昇する傾向があります。
- 良好な経済環境: 経済が好調の場合、企業の信用力が上昇し、企業債の価格も上昇する可能性が高まります。
損をしやすい状況:
- 金利の上昇: 金利が上昇すると、既存の債券の価格は下落する傾向があります。このため、金利が予想以上に上昇した場合、債券投資家は損失を被る可能性が高まります。
- 信用スプレッドの拡大: 信用リスクの高い債券の場合、企業の財務状況が悪化するなどの要因で信用スプレッドが拡大すると、その債券の価格は下落する傾向があります。
- デフォルトリスク: 債券の発行者が金利や元本の返済を果たせなくなる(デフォルトする)リスク。特に、信用評価が低い債券や新興国の債券などは、このリスクが高い。
- 流動性リスク: 債券の取引量が少ない場合や市場環境が悪化すると、債券の売却が難しくなり、その結果、価格が大きく下落することがあります。
- 再投資リスク: 金利が下がると、債券から受け取った利息を再投資する際の利回りが低くなり、全体としての投資リターンが低下する可能性があります。
これらの要因を理解し、現在の市場環境や将来の金利動向、そして自身のリスク許容度などを考慮して、適切な債券投資を行うことが重要です。
中途解約リスク
米国債は満期まで保有した場合は、基本米ドルベースでは損することはありませんが、中途解約した場合は時価での売却となるため損する可能性があります。
米国債券投資と為替の影響
米国債券への投資を検討する際、単に債券の利回りや価格動向だけでなく、為替の動きも非常に重要な要因となります。特に、日本を含む非米国投資家が米国債券を購入する場合、その投資リターンは、債券の利回りや価格変動だけでなく、USD/JPYの為替レートの動きにも影響されることとなります。
金利と為替の関係は複雑ですが、一般的に、金利の低下が債券の価格を上昇させ、投資のリターンを高める状況を考えると、次のような為替の影響が考えられます。
- 日米金利差の縮小: 米国の金利が低下すると、他国との金利差が縮小します。特に、日本の金利が長らく低い水準にあるため、米国金利の低下は日米間の金利差の縮小をもたらすことが多いです。
- 資本の移動と円高傾向: 金利差が縮小すると、高い利回りを求める投資家の資金が米国から他の国へ移動する可能性が高まります。具体的には、米国債券の売却により得られるドルを円に交換することで、ドルの売り、円の買いが生じるため、円高となりやすくなります。
- 投資リスクの増大: 為替変動によるリスクも考慮すると、米国債券の利回りだけでなく、円高リスクも加味した上での投資判断が求められます。円高が進行すると、ドル建ての資産を円に換算した際の価値が減少し、それによって債券のリターンが相殺される、あるいは損失につながる可能性がある。
結論として、米国債券投資を行う際には、金利や債券市場の動向だけでなく、為替の動きも考慮する必要があります。特に金利の低下期には、日米の金利差の縮小やそれに伴う円高のリスクを意識することが重要となります。
米国債の購入方法
米国債は、世界最大の経済大国であるアメリカ合衆国政府が発行する国債であり、その安定性から多くの投資家に注目されています。ここでは、米国債の購入方法について詳しく解説します。
- 証券会社から購入
米国債を直接購入する方法としては、一部の証券会社を通じて取引が可能です。大手の対面証券か、ネット証券なら比較的購入できることが多いと思われます。主要な証券会社の既発債のURLは以下の通りです(投資は自己責任でお願いします。アフィリエイトは行っておりません)
野村證券の外国債券一覧
大和証券の外国債券一覧
日興証券の外国債券一覧
SBI証券の外国債券一覧
楽天証券の外国債券一覧 - 投資信託・ETFを利用
米国債に投資している投資信託やETFを購入することで、間接的に米国債を保有することができます。特に、投資信託やETFはNISA口座での購入が可能であり、税制上の優遇も受けられるメリットがあります。主な米国債に投資できるETFとしては、iシェアーズ 米国債1-3年 ETFやiシェアーズ・コア 米国債7-10年 ETFなどが挙げられます。 - 海外オンライン証券会社を利用
多くのオンライン証券会社では、米国債の取り扱いがあります。購入手続きは、証券会社の公式サイトにログインし、必要な手続きを行うことで簡単に完了することができます。
※注意:海外の証券会社は日本居住者向けの勧誘は登録上できません。FX会社や暗号資産会社で多いのですが日本語でサイトを運営している会社は違法の可能性があるため、海外証券会社を利用するときは必ず英語で検索するようにしてください。
注意点
米国債の購入を検討する際は、購入手数料や維持費、為替リスクなどを十分に理解した上で、自身の資産運用の目的やリスク許容度に合わせて適切な方法を選択することが重要です。また、米国債の動向や金利、為替の情報を定期的にチェックし、必要に応じてポートフォリオの調整を行うことをおすすめします。
債券投資ではなぜ手数料がかからないのか?
債券取引に関する手数料がかからない理由と、相対取引の注意点について説明いたします。
- 債券取引で手数料がかからない理由:
- 埋め込まれたコスト: 債券市場では、取引手数料として明確な費用が発生することがありません。しかし、取引業者は売買スプレッド(買い価格と売り価格の差)を通じて利益を得ることが一般的です。このスプレッドが実質的な「手数料」となります。
- 大口取引: 債券市場は、大手機関投資家や銀行など、大量の資金を運用する投資家が主な参加者であるため、個別の取引手数料を徴収するよりもスプレッドを通じた収益モデルが適しています。
- 相対取引の注意点:
- 価格透明性: 相対取引は特定の相手と直接取引を行う方式であるため、市場全体の価格透明性が低くなる可能性があります。そのため、取引する債券の適切な価格を確認するのが難しくなることがあります。
- 流動性の欠如: 相対取引は取引の相手を限定するため、流動性が制約される可能性があります。これにより、迅速に債券を売却することが困難になることがあります。
- 対手リスク: 相手との直接の取引となるため、相手が取引の約束を守らないリスク(対手リスク)が存在します。
- 情報の非対称性: 取引相手が保有する情報と自身が持つ情報に差が生じる可能性があり、これにより不利益な取引をしてしまうリスクが高まります。
債券の取引は市場取引ではなく店頭取引のため、販売会社である証券会社が直接的な売り手となります。そのため、手数料は価格に上乗せされるため別途支払う必要はありません。しかしその分手数料が見えにくいのが難点です。同じ債券でもネット証券で直接買うのと同じネット証券でIFAから買うのでは利回りが異なることもあります。
債券だから大丈夫、ではなく対面で購入する場合は、2社以上で提案を受けて誠実なほうを選ぶのが良いでしょう。一般的に債券の場合、短期債より長期債のほうが販売会社は手数料を抜きやすいため、長すぎないかは気を付けたほうが良いでしょう。
プライベートバンク御用達の3大債券投資戦略とは
債券については証券会社の富裕層向け部門か、プライベートバンクしかあまり得意ではありません。ここではプライベートバンクでもよくつかわれる3大債券投資戦略を紹介します。
- ラダー型戦略 (Ladder Strategy):
- この戦略は、満期が異なる様々な債券を一定の間隔で購入する方法です。例えば、1年、2年、3年、…、10年といったように、一定の間隔で満期が異なる債券をポートフォリオに組み入れます。
- 債券の1つが満期を迎えると、再投資の際に最も長い満期を持つ新しい債券を購入します。
- バーベル型戦略 (Barbell Strategy):
- この戦略は、非常に短期の債券と非常に長期の債券のみを保有する方法です。中期の債券は保有しません。
- こうすることで、短期と長期の両方の利回りのメリットを享受しようという戦略です。
- ブレッド型戦略 (Bullet Strategy):
- この戦略では、特定の期間に集中して債券を購入します。例えば、5年後に大きなキャッシュフローの需要が予想される場合、5年物の債券を中心に投資を行います。
- 満期が近づくにつれて、必要な資金を満期の債券から得ることができます。
3大債券投資戦略の使い分け方
それぞれの戦略が有効となる時期を以下の表でまとめます。
戦略 | 有効な時期・状況 |
---|---|
ラダー型 | – 金利の将来の動きが不確実な時。 – 定期的なキャッシュフローを得たい場合。 |
バーベル型 | – 短期・長期の利回りが中期よりも魅力的な場合。 – 金利の大きな変動を予測する場合。 |
ブレッド型 | – 特定の未来の時点でのキャッシュフローの需要が明確な場合。 – 中期の利回りが他の期間よりも魅力的な場合。 |
これらの戦略を採用するかどうかは、投資家の目的、リスク許容度、市場環境などの要因によって決定されます。
債券投資戦略:イールドカーブとキャリーロール
イールドカーブは、異なる満期を持つ債券の利回りをグラフにしたもので、経済の健康状態や将来の金利の動向を示す重要な指標となっています。一方、キャリーロール戦略は、債券の利回り(キャリー)とイールドカーブの形状変化による価格変動(ロールダウン)を利用した投資戦略です。
イールドカーブの理解
イールドカーブは、短期から長期までの債券の利回りを縦軸に、その満期を横軸にプロットしたグラフです。通常、短期の利回りは低く、長期の利回りは高いため、上向きのカーブとなります。しかし、経済の先行きが不透明な場合やリセッションが予想される場合、短期の利回りが長期のものを上回る逆さイールドカーブが形成されることもあります。
キャリーロール戦略の概要
キャリーロール戦略は、債券のキャリーとロールダウンの効果を最大限に活用するための戦略です。具体的には、高いキャリーを持つ債券を購入し、その後のイールドカーブの変動による価格上昇(ロールダウン効果)を狙うものです。
- キャリー:債券の利回りから短期金利を差し引いたもの。高いキャリーを持つ債券は、単純に保有するだけで収益が期待できる。
- ロールダウン:イールドカーブの形状変化による価格変動。例えば、5年物の債券を1年間保有すると、その債券は4年物となり、イールドカーブの形状によっては価格が上昇することが期待される。
キャリーロール戦略を成功させるためには、イールドカーブの形状やその変動、さらには短期金利の動向など、多くの要因を考慮する必要があります。
最後に
米国債は、安定したリターンを求める投資家にとって魅力的な投資先となっています。しかし、為替リスクや信用リスクなどの注意点も念頭に置きながら、適切な投資戦略を立てることが重要です。米国債については情報が多いため、詳しく調べて購入しようとすれば、あまり証券会社などの販売会社はスプレッドを抜くことができません。
債券と投資する場合は事前に金利水準を調べて、満期までの期間ごとの利回りを販売会社の担当者と相談する中で話をすると、スプレッドについてプレッシャーを与えて良心的な手数料になります。
投資信託などに比べると手数料は安くなる可能性がある一方、情報の非対称性により実際には手数料を多く支払っていることが少なくありません。
債券投資について販売会社の担当者はスプレッドが多く抜ける
- 長期債
- 金利が高い信用力の低い債券
を勧めがちです。投資家側できちんと「米国債にはいつ投資すればよいのか?」と「3大債券投資戦略の使い分け方」を理解したうえで、どのような債券が良いのかを判断していってください。