分散投資は意味ない？デメリットやリスクを集中投資と比較して紹介！

投資の世界には多くの戦略やアプローチが存在します。その中で、多くの投資家や専門家が推奨するのが「分散投資」です。この戦略は、資産をさまざまな投資先に分散させることでリスクを軽減するという考え方に基づいています。しかし、本当に分散投資は効果的なのでしょうか？また、集中投資と比較してどのような違いやデメリットがあるのでしょうか。この記事では、分散投資のデメリットとリスクに焦点を当て、集中投資との比較を通じてその真実に迫ります。

分散投資は意味ない？

分散投資は意味がないという意見があります。この意見は、短期的に大きく稼ぎたいと考えている人や、リーマンショックなどで市場全体の下落を経験した人が唱える傾向にあります。

そもそも分散投資とは、投資先や投資期間を分散させることで資産全体の下落リスクを抑えるために行うものです。そのため「投資リスクを分散する」という点では意味があります。

しかし、一つの資産に集中投資していれば一攫千金を狙えたものも、分散投資を行うことでその機会を失ってしまうという見方もあるでしょう。

そのような観点で考えると、分散投資は効率良く資産を増やすという点では意味がない（効果が薄い）という意見も間違ってはいないと言えます。

分散投資について詳しく知りたい方は「【分散投資とは？】資産運用における意味やメリットをわかりやすく解説！」もぜひ参考にしてください。

分散投資のデメリットやリスク｜集中投資と比較して紹介

分散投資はメリットが多いと思われがちですが、一方でデメリットやリスクもあります。分散投資の反対語には「集中投資」があり、これはひとつの投資先にまとまった額を投資する投資手法です。

ここでは、集中投資と比較したときの分散投資のデメリットやリスクについて紹介していきます。

短期的に大きく稼ぐことは難しい

分散投資は、短期的に大きく稼ぐというよりは、リスクを抑えながら長期間で運用益を期待する投資方法です。

分散投資では複数の商品に投資するため、ある商品の相場が上がるとある商品の相場が下がることが多くあります。これを分かりやすく表現したものに「相関係数」があります。

相関係数とは、2つの資産の値動きの関連性を表す統計値のことで、この値がマイナスに近づくほど真逆の値動きをすることを意味します。

分散投資ではこの相関係数を利用して投資対象を選ぶことが多く、仮に値動きが真逆の資産に半分ずつ投資した場合は、資産全体で見たときに値上がり幅も値下がり幅も小さくなります。

つまり、大きな損失を防ぐことができると同時に、大きく稼ぐことは難しいことを意味しています。このように分散投資は、資産を大きく増やそうと考えている方には向いている投資手法とは言えません。

相関係数について詳しく知りたい方は「分散投資のポートフォリオでおすすめの割合は？相関係数や具体例をわかりやすく解説！」もぜひ参考にしてください。

複数の投資先の管理が大変

分散投資は投資対象を複数の資産に分散して行うことから、いくつかの投資先を管理する必要があります。

例えば株式や投資信託で分散投資を行う場合、複数銘柄を保有することになるのでそれぞれの値動きを把握する手間がかかります。せっかく利益が出ていても、十分に管理できていなければ売却のタイミングを逃してしまう可能性もあります。

また、不動産投資や保険商品で運用を行う場合はそれぞれの担当者がつくため、管理ややりとりが煩雑になることもあります。さらに担当の営業マンが変更になることも多く、名刺や連絡先がたくさん溜まっていくこともあるでしょう。

その点集中投資であれば、投資先が一つしかないため管理も簡単なうえ、信頼できる担当者にアドバイスをもらいながら集中して運用することができます。

資産の流動性リスクがある

分散投資では長期投資を前提としているため、集中投資に比べて資産の流動性リスクが大きくなる傾向にあります。

流動性リスクとは、保有している資産の取引量が市場で少ない（人気がない）ことにより希望価格で売れない状態のことを指します。すぐに現金化したい場合は、安値で売却しなければならないケースが多く大きな損失を被ることがあります。

分散投資ではあらゆる商品に投資するため、投資先によってはこの流動性リスクで「売るに売れない」状態になってしまうことが考えられます。

一方で、集中投資の「値上がり益が出たら売却して次の商品に投資する」という運用は、うまくいけば短期間で成果を出すことができるため、流動性リスクを抑えながら投資機会を多く設けることができます。

流動性リスクやその他資産運用のリスクについて知りたい方は「【資産運用のリスクとは？】6つの種類とリターンとの相関を紹介！」もぜひ参考にしてください。

投資資金が少ないと効果は小さい

投資資金が少ないと、分散投資の効果は小さくなります。

例えば10万円を4つの投資先に25,000円ずつ均等に分散したとすると、そのうち1つの相場が10％下がった場合は損失を2,500円に抑えることができます。

しかし、そのような数千円を守る投資をするくらいであれば、集中投資で多少のリスクをとってでも10万円を20万円に増やすことを狙った方が、今後長期的に資産形成を行っていく上では効果的という考えもあります。

ただし集中投資での運用は、売却のタイミングを逃さぬよう常に資産の値動きをチェックしていなければ、気付かぬうちに大きな損失を被る可能性もあります。

そのため投資資金が少ない方は、自分なりにリスクを取れる範囲内の資金で集中投資を行うのが効果的と言えるでしょう。

カテゴリ	メリット	デメリット
リスク	・リスクの分散により、全体のリスクが低減する	・高リターンを期待する特定の投資を逃す可能性がある
リターン	・安定したリターンが期待できる	・全体のリターンが抑えられる可能性がある
ポートフォリオ	・多様な資産クラスに投資することで、バランスが取れる	・管理が複雑になる可能性がある
柔軟性	・市場の変動に対応しやすい	・頻繁な再バランスが必要になる可能性がある
投資知識	・基本的な投資知識で始められる	・各資産クラスの知識が必要になる可能性がある
投資コスト	・コストが低いETFやインデックスファンドを利用できる	・取引コストが複数の資産で発生する

分散投資はどんな人におすすめ？

分散投資が向いている人

分散投資が向いているのは、以下のような人です。金融商品や投資する国、投資タイミングや保有通貨を適切に分散しましょう。

・投資で大きな損をしたくない
・長期的に資産を増やしていきたい
・相場の変動にストレスを感じたくない
・1,000万円を超える資産で守りの運用をしたい

分散投資が向いていない人

分散投資が向いていないのは、以下のような人です。当てはまる方は、資産が貯まるまでは集中投資で大きく狙うのも良いかもしれません。

・リスクをとってでも大きく稼ぎたい
・短期的に資産を倍にしたい
・投資資金が100万円未満など小さい

特徴	分散投資が向いている人	分散投資が向いていない人
リスク許容度	リスクを分散し、低減したい	高リスクを許容し、高リターンを求める
投資知識	基本的な投資知識がある	投資知識がない、または限定的
投資目的	資産の安定的な成長を望む	短期間での大きな利益を望む
投資期間	長期	短期
ポートフォリオの管理	ポートフォリオのバランスを保ちたい	アクティブに取引を行いたい
資金	複数の資産クラスに投資可能	限定的な資金
時間	定期的にポートフォリオを見直す時間がある	頻繁に市場をチェックする時間がない
性格	冷静で計画的	衝動的で短気

分散投資すべきかどうか迷った方は？

ここまで見てきた通り分散投資には、管理が煩雑であることや大きな利益が見込めないなどのデメリットがあることがわかります。

一方で「大きな利益が出なくてもいいからなるべく損を出さず、長期的に資産を増やしたい」という人も少なくありません。

そんな方は、ぜひヘッジファンドダイレクトにご相談ください。ヘッジファンドダイレクトでは、あなたの投資目標やニーズに合致した理想的な投資商品を紹介するので、納得できる分散投資をサポートします。