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グロース株とバリュー株の違いとは?特徴と判断指標を徹底解説

グロース株とバリュー株は、投資家が株式市場での投資戦略を考える際の2つの主要な投資テーマです。これらの株の選び方や特性を理解することは、賢明な投資判断を下すための鍵となります。以下に、これらの株の基本的な違いを詳しく解説します。2022年の下げ相場から2023年の年初の上昇相場において、久しぶりにグロース株よりバリュー株の成績が上回ったため改めて注目が高まっています。

バリュー株とグロース株の年次騰落率の棒グラフ
目次

グロース株とはなにか?メリットや代表事例を紹介

グロース株とは

グロース株とは、将来の収益成長が期待される企業の株を指します。これらの株は、一般的に高い収益成長率を持つ企業のものであり、そのため株価が上昇する可能性が高いとされています。主な特徴としては、以下の点が挙げられます。

  1. 高い成長率: グロース株の企業は、高い成長率を持つことが一般的です。これは、新しい市場や技術への参入、革新的な製品やサービスの提供など、企業の成長を後押しする要因によるものです。
  2. 高収益性: これらの企業は、高い収益性を持つことが多いです。これは、市場での競争力やブランド力、効率的な経営によるものです。
  3. 将来的な展望: グロース株の企業は、将来的なビジョンや戦略が明確であり、そのために長期的な投資が行われることが多いです。

グロース株のメリット

グロース株、または成長株とは、収益や売上が急速に成長している企業の株を指します。これらの株は、伝統的な評価指標で見ると高価に見えることが多いですが、将来の成長ポテンシャルを評価すると、その価格が正当化されると考えられます。では、グロース株に投資するメリットは何でしょうか?

  1. 高いリターンの可能性: グロース株は、その名の通り、企業の成長が期待されるため、株価の上昇が期待されます。そのため、長期的な視点で投資すると、高いリターンを得る可能性があります。
  2. イノベーションの恩恵: グロース株の多くは、新しい技術やビジネスモデルを持つ企業です。これにより、市場の変化や新しいトレンドに迅速に対応することができ、競合他社よりも先行して市場を獲得することが期待されます。
  3. 再投資の機会: 成長企業は、利益を再投資することでさらなる成長を目指すことが多いです。これにより、企業の成長速度が加速し、株価のさらなる上昇が期待されます。
  4. 経済の好調時の恩恵: グロース株は、経済が好調な時期には特にパフォーマンスが良くなる傾向があります。経済の拡大とともに、これらの企業の収益も増加し、株価が上昇する可能性が高まります。
  5. ポートフォリオの多様性: グロース株をポートフォリオに組み入れることで、投資先の多様性を増やすことができます。これにより、リスクの分散とともに、リターンの機会も増加します。

グロース株には多くのメリットがありますが、リスクも伴います。高いリターンを追求する一方で、市場の変動や企業の業績の不調による株価の下落リスクも考慮する必要があります。したがって、投資判断を行う際には、十分なリサーチと分析が必要です。

グロース株のデメリット

グロース株は、その名の通り、高い成長率を持つ企業の株を指します。これらの企業は、将来の収益性や市場シェアの拡大を期待して投資されることが多いです。しかし、グロース株には以下のようなデメリットが存在します。

  1. 高いボラティリティ: グロース株は、市場の変動に非常に敏感であり、価格の変動が大きいことが特徴です。これは、投資家が将来の成長に対する期待を常に再評価しているためです。
  2. 配当の不確実性: 多くのグロース株企業は、再投資を優先するために配当を支払わないか、または低い配当しか支払わないことが一般的です。これは、収益を成長のための再投資に回すことを選択するためです。
  3. 過度な評価: 一部のグロース株は、将来の成長に対する過度な期待から、過大評価されることがあります。これにより、実際の業績が期待を下回った場合、株価が大きく下落するリスクが高まります。
  4. 競合との競争: グロース株企業は、市場でのリーダーシップを維持するために、常に競合との競争にさらされています。新しい技術やイノベーションが登場すると、その地位が脅かされる可能性があります。
  5. 経営リスク: 高い成長率を維持するためには、経営陣の賢明な意思決定が不可欠です。しかし、経営判断が誤っていた場合、企業の成長が停滞するだけでなく、業績が悪化するリスクもあります。

これらのデメリットを理解し、適切なリスク管理を行うことで、グロース株投資のリスクを最小限に抑えることができます。

グロース株の代表事例

  1. アップル(Apple Inc.)
    アップルは、iPhoneやMacなどの製品で知られる世界的なテクノロジー企業です。近年、サービス事業の拡大や新製品の開発により、収益の成長が続いています。
  2. アマゾン(Amazon.com, Inc.)
    アマゾンは、オンラインショッピングサイトを中心に、クラウドサービスやエンターテインメント事業など多岐にわたる事業を展開しています。アマゾンのビジネスモデルは、常に成長を続けることを目指しており、その結果、グロース株としての評価が高まっています。
  3. アルファベット(Alphabet Inc.)
    アルファベットは、Googleの親会社として知られる企業です。検索エンジンやYouTube、クラウドサービスなど、多岐にわたるサービスを提供しており、その収益は年々増加しています。

グロース株投資で有名な投資家

  1. ピーター・リンチ
    ピーター・リンチは、フィデリティのマゼランファンドの元ファンドマネージャーとして知られています。彼の投資スタイルは、成長が期待される企業を見つけ出し、その成長を信じて長期的に保有することに重点を置いています。
  2. フィリップ・フィッシャー
    フィリップ・フィッシャーは、成長株投資の先駆者として知られています。彼は、企業の成長性や経営陣の質を重視し、その上で長期的な投資を行うスタイルを確立しました。

これらの投資家たちは、グロース株投資の成功例として知られており、多くの投資家に影響を与えています。彼らの投資スタイルや考え方を学ぶことで、グロース株投資の成功のヒントを得ることができるでしょう。

バリュー株とはなにか?メリットや代表事例を紹介

バリュー株とは

  1. 低バリュエーション: バリュー株は、株価がその実際の価値に比べて低いとされる株を指します。これは、市場の過小評価や一時的な業績の低迷など、さまざまな要因によるものです。
  2. 安定した収益性: バリュー株の企業は、安定した収益を上げることが多いです。これは、長い歴史や確立されたビジネスモデルによるものです。
  3. 高配当: バリュー株の企業は、利益を株主に還元する形で高い配当を支払うことが多いです。これは、成長の機会が限られているため、利益を再投資するよりも配当として還元することが多いためです。

バリュー株のメリット

バリュー株投資は、長期的な視点での投資戦略の一つとして多くの投資家に支持されています。以下は、バリュー株をポートフォリオに組み入れることの主なメリットをいくつか紹介します。

  1. 堅実な収益性: バリュー株は、過去の実績や業績が安定している企業の株であるため、収益性が堅実であることが多いです。これにより、市場の変動に対するリスクを低減することができます。
  2. 配当の機会: バリュー株の多くは、安定した業績を持つ企業の株であるため、定期的な配当を提供することが期待されます。これにより、投資家は定期的なキャッシュフローを享受することができます。
  3. 適正な評価: バリュー株は、市場価格がその実際の価値よりも低く評価されていると考えられる株です。これにより、長期的な視点での資本増加の機会があります。
  4. 市場の変動に対する耐性: バリュー株は、市場の変動や経済の不況期においてもその価値を維持する傾向があります。これにより、投資家は市場の下落時にも安心して投資を続けることができます。
  5. 長期的な視点: バリュー株投資は、長期的な成長を目指す戦略であり、短期的な市場の変動に左右されにくい特性を持っています。これにより、長期的な資産の増加を目指すことができます。

バリュー株投資は、これらのメリットを持つ一方で、成長株投資とは異なるリスクも伴います。しかし、適切なリサーチと分析を行い、自身の投資目的やリスク許容度に合わせてポートフォリオを構築することで、バリュー株のメリットを最大限に活用することができます。

バリュー株のデメリット

バリュー株投資には多くの魅力がありますが、それに伴うデメリットやリスクも存在します。以下に、バリュー株の主なデメリットをいくつか挙げてみましょう。

  1. 成長の限界: バリュー株として取り上げられる企業は、多くの場合、その成長サイクルの後期にあるとされます。これは、将来の成長が限定的である可能性が高いことを意味します。
  2. 市場の評価の遅れ: バリュー株は、その価値が市場に正しく評価されるまでに時間がかかることがあります。これにより、投資家は長期間、期待したリターンを得られないリスクがあります。
  3. 業績の悪化リスク: 安価な評価がなされている企業は、業績が悪化しているか、または将来的に業績が悪化するリスクがあるため、注意が必要です。
  4. 古いビジネスモデル: バリュー株の中には、時代遅れのビジネスモデルを持つ企業も存在します。これらの企業は、市場の変化に対応するのが難しく、競争力を失う可能性があります。
  5. 配当のカット: バリュー株は高配当が期待されることが多いですが、業績が悪化すると配当をカットする可能性もあります。これは、配当を重視する投資家にとっては大きなデメリットとなります。

バリュー株投資を行う際には、これらのデメリットやリスクを十分に理解し、適切なリスク管理を行うことが重要です。市場の動向や企業の業績をしっかりと分析し、長期的な視点での投資判断を心がけましょう。

バリュー株の代表事例

  • コカ・コーラ: 世界的に有名な飲料メーカーで、安定した収益と高い配当を持つ典型的なバリュー株の一つです。
  • プロクター&ギャンブル: 日用品を中心に多岐にわたる商品を提供する企業で、長い歴史と安定した業績を持つバリュー株の代表例です。

バリュー株投資で有名な投資家

  • ウォーレン・バフェット: 世界最大の投資会社、バークシャー・ハサウェイのCEOであり、バリュー投資の代表的な存在として知られています。彼の投資哲学は、過小評価されているが、将来的に価値が上昇すると考えられる株を長期間保有することに重点を置いています。
  • ベンジャミン・グラハム: バリュー投資の父とも称される人物で、ウォーレン・バフェットの師としても知られています。彼の著書「インテリジェント・インベスター」は、バリュー投資のバイブルとして多くの投資家に読まれています。

以上、バリュー株の特徴、メリット、代表事例、および有名な投資家についての解説でした。バリュー株は、安定した収益性や高配当などの特徴を持ち、長期的な投資に適していると言われています。しかし、どのような投資を選ぶかは、個人の投資目的やリスク許容度に応じて選ぶ必要があります。

成長株と割安株の長期チャート

指標を使ったグロース株・バリュー株の見分け方

株式投資を行う際、投資家は多くの指標を参考にして、グロース株とバリュー株を見分けます。以下は、その主要な指標とその使用方法、意味、および重要性についての説明です。

  1. PBR(株価純資産倍率): 株価 ÷ 1株あたり純資産
    • 意味: PBRは、1株あたりの株価を1株あたりの純資産で割ったものです。この指標は、企業の株価が適正かどうかを評価するのに役立ちます。
    • 使用方法: PBRが1よりも低ければ、その株は割安と見なされる可能性があります。一方、PBRが1よりも高い場合、株は割高と見なされる可能性があります。
    • 重要性: バリュー株の特定に役立つ指標の一つです。
  2. PER(株価収益率) :株価 ÷ 1株あたり当期純利益
    • 意味: PERは、1株あたりの株価を1株あたりの利益で割ったものです。企業の収益性と株価の関係を示す指標です。
    • 使用方法: PERが低いと、株価が割安であると見なされることが多いです。高いPERは、将来の成長が期待されるグロース株の特徴として見られることが多いです。
    • 重要性: グロース株とバリュー株の見分けに役立つ主要な指標の一つです。
  3. ROE(自己資本利益率):当期純利益 ÷ 株主資本
    • 意味: ROEは、企業の利益を自己資本で割ったもので、企業の収益性を示す指標です。
    • 使用方法: 高いROEは、企業が効率的に運営されていることを示しています。グロース株は高いROEを持つことが多いです。
    • 重要性: 企業の収益性と成長性を評価するのに役立つ指標です。
  4. 売上高や利益の伸び率:(当期の売上高ー前期の売上高) ÷ 前期の売上高
    • 意味: これは、企業の売上や利益がどれだけ成長しているかを示す指標です。
    • 使用方法: 高い成長率は、企業が急速に成長していることを示しています。グロース株は、高い売上高や利益の伸び率を持つことが多いです。
    • 重要性: 企業の成長性を評価するのに役立つ指標です。

これらの指標を適切に使用することで、投資家はグロース株とバリュー株を効果的に見分けることができます。しかし、これらの指標だけでなく、企業の業績や市場の状況など、多くの要因を考慮することが重要です。

PERと企業の利益成長率

PER(株価収益率)は、企業の株価を1株当たりの利益で割ったもので、企業の株価が適正かどうかを評価するための指標として広く用いられています。企業の利益成長率とPERは密接に関連しており、利益成長率が高いほど、高いPERが許容される傾向があります。

以下に、企業の利益成長率が0%、10%、20%の場合の適正なPERについて解説します。

  1. 利益成長率が0%前後の場合:
    • 企業の利益が成長していない状態です。この場合、低いPERが期待されます。一般的に、PERが15倍以下であれば、株価は適正と考えられることが多いです。
  2. 利益成長率が10%前後の場合:
    • 企業の利益が安定的に成長している状態です。この場合、中程度のPERが許容されることが多いです。一般的に、PERが10倍から20倍の範囲であれば、株価は適正と考えられることが多いです。
  3. 利益成長率が15%超の場合:
    • 企業の利益が急速に成長している状態です。この場合、高いPERが許容されることが多いです。一般的に、PERが20倍~40倍でも、その成長性を考慮すれば株価は適正と考えられることがあります。近年ナスダックは平均的に倍率が30倍を超えれていることが常態化しており、その状態の中でも株価は上昇を継続しています。PER30倍は成長率によっては割高ではないことがわかります。

ただし、これらの数値は一般的な目安であり、実際の投資判断には、業界の平均PERや企業の業績、市場の動向など、多くの要因を考慮する必要があります。

ナスダック株価とPERの長期チャート

グロース株とバリュー株の違いまとめ

  1. 成長の期待値
    • グロース株:これらの株は、将来の収益成長が期待される企業の株です。通常、高い収益成長率を持つ企業や、新しい市場や技術に参入する企業がこのカテゴリーに分類されます。
    • バリュー株:これらの株は、現在の株価がその実際の価値よりも低く、適切な評価がされていないと考えられる企業の株です。これらの企業は、安定した収益を持つことが多く、株価の上昇の可能性が高いとされます。
  2. リスクとリターン
    • グロース株:高い収益成長が期待される一方で、リスクも高いとされます。市場の変動に対して敏感で、株価の変動幅が大きいことが特徴です。
    • バリュー株:リスクは低めで、安定したリターンが期待されます。しかし、株価の上昇率はグロース株に比べて控えめであることが多いです。
  3. 評価指標
    • グロース株
      • PERレシオ(株価収益率): 企業の株価を1株当たりの利益で割ったもの。高いPERは、将来の成長が市場に期待されていることを示しています。
      • PEGレシオ(株価成長率): PERを企業の利益成長率で割ったもの。1より小さい値は、株価が適正であることを示すとされています。
    • バリュー株
      • PBRレシオ(株価純資産倍率): 企業の株価を1株当たりの純資産で割ったもの。1より小さい値は、株が割安であることを示すとされています。
      • 配当利回り: 1年間の配当を株価で割ったもの。高い配当利回りは、企業が利益を株主に還元する姿勢があることを示しています。

グロース株とバリュー株のどちらを選ぶか

投資家としての選択は、自身の投資スタイルや目的に合わせて行うことが重要です。グロース株とバリュー株の特徴を理解し、それぞれのリスクとリターンを考慮して、最適な選択を行いましょう。

スクロールできます
項目グロース株バリュー株
主な特徴急速な成長が期待される企業現在の株価が実際の価値に比べて割安な企業
収益性高収益性が期待される安定した収益を持つことが多い
リスク高リスク(株価の変動が大きい)低リスク(株価の変動が小さい)
将来的な展望明確なビジョンや戦略を持つ企業が多い。
市場自体が新しく作られていく業界や
新技術により製品の置き換わりが起きているぎゅかいに多い
大きな成長は期待できないが、競合より強いブランド力を
持っているなど安定している企業が多い
投資の目的資本利益の機会を求める投資家向け定期的な収入や配当を求める投資家向け
代表的な投資家ピーター・リンチなどウォーレン・バフェットなど

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この記事を書いた人

監修:柿本 紘輝(CFP証券アナリスト協会検定会員
業界最大手の投資助言会社ヘッジファンドダイレクト株式会社が運営。
富裕層向けに投資助言契約累計1395.9億円(2023年12月末時点)。
当社の認定ファイナンシャルプランナー(CFP、国際資格)、証券アナリスト(CMA)が監修して、初心者にも分かりやすく、良質な情報をお届けしています。

ヘッジファンドダイレクト株式会社
金融商品取引業者 関東財務局(金商)第532号
東京都千代田区丸の内1-8-2鉄鋼ビルディング10F

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