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ネイキッド・ショート
ネイキッド・ショート、またはネイキッド・ショートセリングとは、株式のような証券を実際に借りずに空売りを行う投資手法です。これに対して、実際に株を保有または借り入れてから空売りを行う方法をカバード・ショート・セリングと言います。
ヘッジファンドや大手機関投資家などのプロの投資家がしばしば利用しますが、この手法は非常にリスクが高いとされています。株価が思いの外上昇した場合、ネイキッド・ショートセラーは大きな損失を被る可能性があります。
また、大量のネイキッド・ショートが市場に放出されると、株価の不自然な下落を引き起こす可能性があります。その結果、一部の個人投資家は売却のプレッシャーを感じることがある。そして、このような動きが循環的に繰り返されると、一時的に株価の大きな乱高下が発生することも考えられます。
ネイキッド・ショートの際に、ショートセラーが所定の期日までに証券を買い戻すことができない場合、それは「FTD」(failure to deliver、引渡不能)と称されます。
リーマンショックの発生後、多くの国々でネイキッド・ショートに対する規制が強化されました。特に、不安定な市場環境下でのネイキッド・ショートが株価の不安定化を助長するとの懸念が強まったことから、日本を含む一部の国では2008年以降、ネイキッド・ショートの制限や禁止が進められています。
ネイキッド・ショートの手順と理由のまとめ:
- 取引の手順: 投資家(ショートセラー)は証券を持っていない、または借りていないにもかかわらず、それを売る取引指示をブローカーに出します。これにより、ショートセラーは証券を後で低価格で買い戻し、差額を利益として確保することを期待しています。
- 動機: なぜこれをするのかというと、ショートセラーは証券の価格が将来下落すると予想しているからです。価格が下がれば、ショートセラーは低い価格で証券を買い戻し、利益を得ることができます。
- リスク: しかし、ネイキッド・ショートは非常にリスクが高い。もし証券の価格が上昇した場合、ショートセラーは大きな損失を被る可能性があります。さらに、ネイキッド・ショートは多くの市場で禁止されているか、厳しい制限がかけられているため、違法な行為となる可能性もあります。
- 市場への影響: ネイキッド・ショートは市場の流動性を損なう可能性があり、また、不当な価格操作や悪意ある取引の原因となる可能性もあります。これは、売られた証券が実際に存在しないため、供給過多の状態が生まれることが考えられるからです。
関連用語:カバード・ショート・セリング、ヘッジファンド、