プライベートバンクの利回りはどのくらい？日本、シンガポール、スイスで徹底比較！

資産運用の世界にはさまざまな方法がありますが、富裕層の間で注目されているのが「プライベートバンク」の利用です。プライベートバンクは、一般的な銀行とは異なり、高額な資産を持つ個人を対象とした特別なサービスを提供しています。しかし、その利回りは一体どのくらいなのでしょうか？特に、日本、シンガポール、スイスの3カ国はプライベートバンキングの大手が存在する国として知られています。この記事では、これらの国のプライベートバンクの利回りを徹底的に比較し、その背景や特徴を解説します。

プライベートバンクの利回りは高い？

プライベートバンクとは富裕層に特化した金融サービスで、顧客のニーズに沿ったオーダーメイドな資産運用を提供しています。富裕層向けの金融サービスであるため、最低預入れ金額が一般的な銀行よりも大きく、数千万～数億円に設定しているところが多いです。

またプライベートバンクでは、顧客が預け入れた資金をプロのプライベートバンカーが運用するため、一般的な銀行に預け入れるよりも高い利回りを目指すことができます。

ただし、あくまでも顧客の意向に沿った運用を行うため、目標とする利回りは運用目的やリスク許容度によって大きく異なります。実際の利回りがどのくらいか、いくつかのプライベートバンクを比較してみることをおすすめします。

また、そもそもプライベートバンクはいくらから利用できるのか知りたい方は「プライベートバンクはいくらから利用できる？口座開設に必要な最低金額を紹介！」もぜひ参考にしてください。

プライベートバンクの期待利回りを日本とスイス系企業で比較！

プライベートバンクとして最も歴史が長く有名なのはスイスです。これまでの歴史を見ても、世界中の富裕層はスイスに資産を預けていたと言われています。

一方で日本でも、2019年にスイスの代表的なプライベートバンクであるUBSと三井住友信託銀行が業務提携を開始するなど、プライベートバンクに注目が集まってきています。

そこで以下では、日本とスイスのプライベートバンクで期待できる利回りや特徴を、日系証券、日系銀行、スイス系商業銀行、スイス系老舗銀行で具体的に比較していきたいと思います。

金融機関	期待利回り
日系証券	5~10%
日系銀行	5~10%
スイス系商業銀行	3〜8%
スイス系老舗銀行	2〜5%

日系証券

日系証券でプライベートバンキングサービスを提供している会社には、野村證券、大和証券、みずほ証券、三菱UFJモルガン・スタンレー証券などがあります。

顧客のニーズや運用スタイルにより異なるものの、一般的に日系証券のプライベートバンキングの期待利回り（目標リターン）は5～10％程度で運用されています。

日系証券の特徴は、選択できる運用商品が豊富な点です。通常は個人には販売していない少人数私募のヘッジファンドなども組み合わせることが可能で、顧客のニーズに合わせたオーダーメイドなポートフォリオを構築することができます。

顧客層は上場会社のオーナーが中心で、上場会社の主幹事となっている証券会社がオーナーのプライベートバンキング業務も担っているケースが多いです。

日系銀行

日系銀行でプライベートバンキングサービスを提供している会社には、三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行などがあります。日系銀行のプライベートバンキングの期待利回り（目標リターン）は日系証券とさほど変わらず、一般的に5～10％程度で運用されます。

日系銀行の特徴は、相続・事業承継・融資など、運用商品以外のソリューションが充実している点です。一方で、銀行であるがゆえに証券会社よりも選択できる運用商品の幅は狭い傾向にあります。

顧客層は銀行で融資取引がある企業のオーナーであるケースが多く、資産運用のみならずトータルでの資産形成コンサルティングを期待している方に、銀行のプライベートバンキングサービスが選ばれていると言えるでしょう。

日本のプライベートバンクについてさらに詳しく知りたい方は「日本国内のプライベートバンクを徹底比較！海外バンクとの違いや事業撤退した企業を解説！」も参考にしてください。

スイス系商業銀行

スイス系商業銀行とは、グローバルに個人・法人向けの金融サービスを取り扱っている銀行で、UBSやクレディ・スイスなどが挙げられます。

スイスの銀行は安定的な運用を好む傾向があり、期待利回り（目標リターン）は日経のプライベートバンクと比較するとやや低く、概ね3～8％程度で運用されています。

スイス系商業銀行の強みは、運用ノウハウに長けているという点です。歴史的に富裕層の資産運用を担っていたこともあり、運用メニューは日系のプライベートバンクよりもかなり充実しています。

例えば、UBSでは自社で「UBSオコナー」というヘッジファンドを持っているなど、ヘッジファンドのラインナップが充実しています。また、クレディスイスは仕組債に強みを持っていると言われています。

このように、運用メニューの豊富さを求める方に選ばれるプライベートバンクです。

スイス系老舗銀行

スイス系老舗銀行とは、投資銀行部門を持たない、プライベートバンキングビジネスに特化した生粋のプライベートバンクをいいます。

具体的な社名としては、ジュリアス・ベア、ピクテ、ロンバー・オディエなどが挙げられます。世界的に有名なプライベートバンクではありますが、大体的に広告を出しているわけではないため、初めて名前を聞いたという方も多いのではないでしょうか。

これらの会社は、富裕層の資産管理を専業とするまさに「プライベートバンク」です。これまでご紹介してきた「プライベートバンキング事業も行っている企業」とは少し性質が異なります。

最低預かり金額はサービスによって異なりますが、概ね100万米ドル～500万米ドル程度と言われています。運用方針はかなり保守的でリスクを取らない傾向があり、期待利回り（目標リターン）は2〜5％程度です。

また、一例として10億円をプライベートで運用したらどうなるのかシミュレーションした結果を知りたい方は「10億円をプライベートバンクで運用する資産増加シミュレーションや注意点を解説！」もご覧ください。

プライベートバンクの期待利回りはシンガポールで高い？

近年、富裕層がアジア全体で急増していることから、プライベートバンクはアジア圏でも注目されています。

その中でも、政治的に安定して税金面でのメリットも大きいシンガポールではプライベートバンクが特に盛んであり、将来的に世界最大のオフショア金融センターになるとまで言われています。シンガポールのプライベートバンクとしては、シンガポール銀行が有名です。

シンガポールのプライベートバンクが高い利回りを実現できる最大の理由は、「レバレッジ（テコ）」を活用した資産運用が可能であるからです。

レバレッジとは、元本以上の金額で取引を行うことを指します。元本の数倍の金額で取引ができるので、通常の取引よりもリターンが大きくなりますが、それに比例してリスクも大きくなります。

日本でもこの取引は可能ですが、かなりリスクの高い取引方法なので、投資に関してよく理解している方でないとおすすめできません。

また、プライベートバンクの手数料が知りたい方は「プライベートバンクの手数料は4種類！預かり資産金額や売買金額に対していくらかかる？」をぜひ参考にしてください。

欧州系でも日本系でもほとんどの日本人相手のプライベートバンクは国内証券会社経由か銀行経由の転職者がほとんどです。そのリレーションシップマネージャーの文化は証券会社出身であれば積極的、銀行出身であれば保守的等特徴があります。また日本人のプライベートバンカーは5年ほどで辞めてしまうことも多く、生涯のパートバーになることはなかなかまれといえます。
そういった意味では、本場スイスのプライベートバンクという形は導入できても本質的な文化はまだ日本人のプライベートバンカーには根付いていないといえるかもしれません。

プライベートバンク以上に高い期待利回りで運用したい方は？

ここまで見てきた通り、プライベートバンクは富裕層の方向けにオーダーメイドの金融商品を作成し、資産運用をサポートします。

一方で、資産を増やすというよりは守りながら堅実に運用したいという方が多いため、プライベートバンクの期待利回りは数パーセント程度となっています。

そのため、「プロに資産運用を任せたいけれどプライベートバンク以上に高い期待利回りで運用したい」という人も少なくありません。

そんな方は、ぜひヘッジファンドダイレクトにご相談ください。ヘッジファンドダイレクトでは、あなたの投資目標やニーズに合致した理想的な金融商品を紹介しているので、納得できる資産運用を実現します。