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ショート・ガンマ
「ショート・ガンマ」とは、オプション取引の文脈で使用される用語です。ここでの「ガンマ」とは、オプションのデルタが、アンダーライニングとしての金融商品(例えば、株や指数など)の価格の変動にどれだけ反応するかを示す指標です。言い換えれば、ガンマはデルタの変化率を示しています。
オプションのガンマ (Γ):
- 定義: ガンマは、デルタの変動を示すものです。具体的には、株価が1単位変動した場合のデルタの変動を示しています。ガンマはオプションのデルタの感受性を測定するものと言えます。
- 値の範囲: ガンマは通常、0から1の間の正の値を取ります。大きなガンマ値は、デルタが急速に変動することを示しており、これはオプションの価格が株価の変動に対して非常に敏感であることを意味します。
- 役割: 高いガンマのポジションは、市場が大きく動くとデルタが急速に変化するため、リスクが高まる可能性があります。そのため、ガンマリスクの管理はオプショントレーディングにおいて重要です。
オプションのデルタ (Δ):
- 定義: デルタは、株価が1単位変動した場合のオプション価格の変動を示します。言い換えれば、オプションのデルタは、オプションの価格の感受性を測定するものです。
- 値の範囲: コールオプションのデルタは0から1の間、プットオプションのデルタは-1から0の間になります。例えば、デルタが0.6のコールオプションは、関連する株価が1ドル上昇すると、オプションの価格は60セント上昇することを示しています。
- 役割: デルタは、オプションのポジションをヘッジするための株式の数量(デルタヘッジ)を計算する際にも使われます。
「ショート・ガンマ」のポジションを持っているとは、ガンマの値が負のポジションを持っていることを意味します。ショート・ガンマのポジションは、市場の価格変動が少ない時にはプレミアムの崩れから利益を得ることができる可能性があります。しかし、市場が大きく動くと、ショートガンマのポジションは損失をもたらすリスクが高まります。このため、ショートガンマのポジションを持つトレーダーは、リスク管理が非常に重要となります。
逆に、ロング・ガンマのポジションを持っているトレーダーは、アンダーライニングの商品価格の変動に対してデルタが同じ方向に動くリスクを持っています。このポジションは、市場が大きく動く時には利益を得ることができる可能性がありますが、市場の価格変動が少ない時にはプレミアムの崩れから損失を被るリスクがあります。
ショート・ガンマが使われる環境
ショートガンマのポジションが有利に作用する可能性がある特定の市場環境やシナリオには以下のようなものがあります:
- 低ボラティリティ環境:オプションのプレミアムは、将来の価格変動(ボラティリティ)を予測するものであり、ボラティリティが低い場合、オプションの価格も低くなりがちです。市場が安定していて大きな動きが期待されない時、ショートガンマのトレーダーはプレミアムの崩れを期待してオプションを売ることができます。
- 時間経過の影響:オプションは有効期限があり、時間が経つにつれてその価値は低下することが一般的です(タイムデカイ)。ショートガンマのポジションを持つトレーダーは、時間の経過とともにこの価値の低下を利益として受け取ることができます。
- ボラティリティの予想的中:もしトレーダーが近い将来ボラティリティが低下すると予想している場合、オプションを売り(ショートガンマポジションを取り)、その後ボラティリティが実際に低下すれば、オプションの価格も低下するため利益を得ることができます。
一方で、以下のような環境やシナリオではショートガンマのポジションがリスクを伴う可能性が高まります:
- 急激な価格の変動:市場で何らかのサプライズやショックが起こり、株価や指数が急激に動くと、ショートガンマのポジションは大きな損失をもたらす可能性があります。
- ボラティリティの急激な上昇:何らかの原因で市場のボラティリティが急激に上昇すると、オプションの価格も上昇するため、オプションを売ったトレーダーは損失を被る可能性があります。
ショートガンマのポジションを持つトレーダーは、これらの市場環境やシナリオに常に注意を払い、適切なリスク管理を行う必要があります。
ショートガンマのポジションを持つことは、特定の市場環境やシナリオで利益を上げるチャンスがありますが、大きなリスクも伴います。市場が大きく動くと、ショートガンマのポジションは大きな損失を被る可能性があります。このため、リスク管理やポジションのモニタリングが非常に重要です。
関連用語: ヘッジファンド 、 VIX指数