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ファットテール
正規分布の図において、平均値から非常に離れた分布の両端の一部が膨らむことを意味します。要するに、極端に大きなプラスリターンや、マイナスリターンが発生する確率が高いことを意味します。
通常の正規分布は、平均と標準偏差で表現します。しかし、リターンの分布が正規分布にならないとすると、テールリスクの部分を表現するために、「スキュー」と「クルトシス」を用いることがあります。
「ファットテール」とは、統計学や資産運用の文脈で使われる用語で、確率分布の端において、極端な値(非常に高い値または非常に低い値)が期待以上に頻繁に発生することを指します。通常のガウス分布(正規分布)では、データの大部分が平均値の周囲に集中し、極端な値は非常に稀ですが、ファットテールを持つ分布では、これらの極端な事象がより頻繁に発生するため、尾部が「太い」と表現されます。
資産運用の文脈では、ファットテールは市場のリスクを評価する際に重要な概念です。例えば、株価の動き、金融市場のクラッシュ、または経済危機など、予測しづらい極端な市場の動きが、ファットテール分布の特性を示すことがあります。このような分布を持つ市場では、大規模な損失や利益が発生する確率が、正規分布を仮定した場合よりも高いことが示されます。
ファットテールの存在は、投資家にとって以下のような影響を与えます:
- リスク評価の難しさ:ファットテールはリスク管理のモデルが標準的な確率分布を用いる場合、実際のリスクを過小評価することがあります。そのため、極端な市場の動きや異常事態に対する準備が不十分になることがある。
- ポートフォリオ管理の戦略:極端な市場の変動が頻繁に発生する可能性を考慮に入れることで、多様化やヘッジ戦略など、より堅牢なポートフォリオ管理が求められます。
- 投資戦略の見直し:ファットテールを考慮することで、高リスク・高リターンの資産への過度な露出を避け、よりリスク調整された戦略へとシフトすることが推奨されます。
資産運用でファットテールを適切に管理するには、従来のリスク管理手法を超えて、極端な市場状況でのポートフォリオの振る舞いをシミュレートするための進んだ統計的手法や、ストレステストなどを組み込むことが重要です。これにより、予想外の市場の動きによる影響を最小限に抑えつつ、投資目標を達成することが可能となります。
関連用語:テールリスク、スキュー、クルトシス