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投資信託には複利効果がない?計算式や複利効果を高めるポイントを解説!
投資信託は多くの投資家にとって人気のある投資手段の一つです。その魅力の一つに、複利効果を最大限に活用できるという点が挙げられます。しかし、実際に投資信託には複利効果が存在するのでしょうか?また、その複利効果をどのように計算し、さらにはどのようにしてその効果を高めることができるのでしょうか。この記事では、これらの疑問に専門家として答えていきます。
分配金が出る投資信託には複利効果がない?
分配金の出る投資信託等で資産運用している人に対して「複利効果がない」と主張する人がいます。しかし、投資信託には本当に複利効果がないのでしょうか。
たしかに、収益を頻繁に現金化するような運用方法では、複利効果は期待できません。しかし、収益を「再投資」するような手法で投資信託を長期保有すれば、年数を重ねるごとに複利効果を実感することができるでしょう。
投資信託を購入すると、無分配の商品を除き、所定のタイミングで分配金を受け取ることができます。分配金とは、投資信託の運用によって得られた成果を、決算ごとに投資家に分配するお金のことです。
投資信託は、株式や債券などの資産に投資し、株式からは配当収入を、債券からは利息収入を得ています。また、保有している資産が値上がりしたタイミングで売却すれば、売却益を得ることができます。分配金は、これらの利益を原資として支払われます。
なお、分配金は投資信託の純資産から支払われます。つまり分配金が支払われると、基準価額は下がってしまうことを認識しておきましょう。
そのため、効率的に資産を築きたい方は、分配金を現金として受け取るのではなく、元本に加えて再投資するのが良いでしょう。運用元本が雪だるま式に増えていき、複利効果が期待できます。
もちろん、分配金を再投資するときに利益が出ていた場合は、課税後の金額での再投資となりますので、不利となります。そのため分配金がないに越したことはないのですが、分配金の全くない投資信託のほうが少ないため、基本は再投資をするのがおすすめです。
そもそも投資信託とは何か知りたい方は「【投資信託とは何か】初心者にもわかりやすく簡単に説明!」をぜひ参考にしてください。
投資信託の複利計算式|分配金を受け取る場合と再投資する場合で比較
それでは、分配金を受け取る場合と再投資に回す場合とで、実際に長期的な運用成果にどのくらいの違いが出るのでしょうか。具体例な数字を用いて比較してみましょう。
分配金を受け取る場合(単利)
まず、分配金を受け取る場合を見てみます。投資信託の分配金を毎年受け取ることを想定します。この場合、資産総額は「単利」で増えていきます。
単利とは、当初の元本のみを対象に利息を計算する方法です。利息が発生しても、それを元本に組み入れずに、あくまで最初の元本からのみ利息が発生すると考えます。
例えば、5%の単利で1,000万円を30年間運用すると、総資産額は以下のように増えていきます。
運用年数 | 総資産額 |
---|---|
1年目 | 1,050万円 |
3年目 | 1,150万円 |
5年目 | 1,250万円 |
10年目 | 1,500万円 |
20年目 | 2,000万円 |
30年目 | 2,500万円 |
分配金を再投資する場合(複利)
次に、分配金を再投資する場合を見てみます。投資信託の分配金を一切受け取らず、全て再投資に回すことを想定します。この場合、総資産額は「複利」で増えていきます。
複利とは、単利と対になる利息の計算方法です。前期までに発生した利息を元本に合算して、当期の利息の計算対象にする方法です。複利で資産運用をすれば、得られた収益を元本に組入れることで、徐々に元本が大きくなっていき、加速度的に資産が増えていきます。
5%の複利で1,000万円を30年間運用すると、総資産額は以下のようになります。
運用年数 | 総資産額 |
---|---|
1年目 | 1,050万円 |
3年目 | 1,158万円 |
5年目 | 1,276万円 |
10年目 | 1,629万円 |
20年目 | 2,653万円 |
30年目 | 4,322万円 |
2つのシミュレーションでわかった通り、同じ1,000万円を5%で運用した場合でも、単利で運用した場合と複利で運用した場合では、30年後の総資産額におよそ1,800万円(2,500万円と4,322万円)もの差が出ました。
単利の場合は、試算の増加ペースが一定(1年あたり50万円)です。それに対して複利の場合は、運用初期こそ単利との差は僅かですが、運用期間が長くなるにつれて資産の増加ペースが速くなっています。
複利では、まさに「加速度的に」資産が増えているイメージを掴んで頂けたのではないでしょうか。
なお、自分の目標金額に合わせて、複利での積立シミュレーションをしたい方は、楽天証券「積立かんたんシミュレーション」を用いて計算してみましょう。
また、投資信託の利回りについて知りたい方は「投資信託の利回りとは?計算方法や目安・平均値はどのくらいか解説!」をぜひ参考にしてください。
さらに、複利運用のメリットやデメリットを知りたい方は「複利運用とは?計算式や単利との違い、積立シミュレーションを紹介!」をご覧ください。
※試算は税金などは考慮していません。
投資信託で複利効果を高めるポイント
それでは、投資信託による資産運用で複利の効果を高めるポイントをまとめます。
分配金は再投資する
まず繰り返しになりますが、投資収益を現金化するのではなく、再投資に回すようにします。
投資信託の中には「無分配型」といって、投資収益を償還または途中換金するときまで、一切分配せずに再投資してくれる商品があります。分配金にかかる源泉税もかからないので、最も複利効果が期待できるタイプといえます。
また分配金がある投資信託の中にも、購入時に分配金を自動的に再投資するコースを設定できるものもあります。
長期運用を前提とする
先ほどのシミュレーションでも見ていただいた通り、複利の効果は、最初のうちは小さいものです。しかし、運用期間が長くなるほど加速度的に大きくなっていきます。
つまり複利によるメリットを享受したければ、数年で結果を出そうとするのではなく、10年、20年、30年で資産を増やそうと考えるべきです。
長期投資を前提に、積立NISAなどを活用して、定期的に積立投資することを心がけましょう。短期的な価格変動を平準化し、複利効果との相乗効果で安定的な資産運用を行うことができます。
手数料が低い商品を選ぶ
投資信託には、購入時に発生する「販売手数料」、保有期間中にかかる「信託報酬」、売却の際に差し引かれる「信託財産留保額」といった手数料がかかります。このうち、信託報酬は、複利効果に影響を与えます。
先ほど説明したように、複利は投資元本を徐々に増やしていくことによってリターンを大きくする手法です。しかし期中に支払う信託配当の料率が高いと、元本の増加が遅くなり、複利効果が小さくなってしまいます。
そのため、投資信託で複利効果を狙って長期運用するには、できるだけ手数料が低い商品を選ぶことをおすすめします。
投資信託で儲からないと感じている方は、「投資信託が儲からない理由!儲かる人の割合は意外と多い?」をぜひ参考にしてください。
毎月分配型投資信託には要注意
毎月分配型の投資信託が資産形成に向かないとされる主な理由は、分配金の支払いによって元本が減少し、長期的な資産の成長が阻害される可能性があるからです。特に、分配金が主に元本から来ている場合、資産の価値は時間とともに減少します。また、分配金に対する税金の負担や、再投資の際の取引コストも資産形成の障壁となり得ます。
資産形成を目指す場合、資本の成長を重視し、分配金を再投資して資産を増やす戦略が一般的に推奨されます。毎月分配型の投資信託は、定期的なキャッシュフローが必要な場合や、一定の収入を確保したい投資家に適していますが、長期的な資産形成を目指す投資家には不向きな場合があります。
毎月分配型の投資信託は、投資先からの利益を投資家に毎月定期的に分配する投資商品です。以下に、そのメリット、デメリット、および資産形成に向かない理由について説明します。
毎月分配型投資信託のメリット:
- 定期的なキャッシュフロー:
- 投資家は毎月定期的に分配金を受け取ることができます。
- 定期的な収入が得られるため、生活費の補填や再投資に利用できます。
- 収入の予測可能性:
- 毎月一定の分配金が期待できるため、収入の計画が立てやすいです。
- 税制上のメリット:
- 分配金は、税制上、所得税率が低く設定されていることがあります。
毎月分配型投資信託のデメリット:
- 資本の減少:
- 分配金が元本から支払われる場合、投資額が減少します。
- 長期間にわたり分配を受け取ると、元本が削られ、資産の価値が減少する可能性があります。
- 税金の負担:
- 分配金は所得として課税されます。
- 非課税の制度を利用しない限り、税金の負担が増えます。
- 再投資の難しさ:
- 分配金を再投資する場合、取引コストがかかることがあります。
- 少額の分配金を効率的に再投資するのは難しい場合があります。
効果的に資産を増やしたい方は投資信託以外にヘッジファンドもおすすめ
ここまで見てきた通り、投資信託は分配金を受け取らず複利効果を得ることで、より多くの利益を狙えます。また手数料の低い商品を選ぶことでも、資産運用の効率が高まるでしょう。
一方で投資信託以外にも、高い利回りで効果的に資産を増やす方法を知りたいという方は、ぜひヘッジファンドダイレクトにご相談ください。
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