パッシブ運用

パッシブ運用とは、指標となる市場の平均的な値動きと同等のパフォーマンスを出すことを目的とした運用手法。
パッシブ(Passive)は「受動的」、「消極的」という意味。パッシブ運用の際に指標から離れた部分の差のことを、トラッキングエラーと呼びます。

「パッシブ運用」とは、市場平均のリターンを目標とする投資戦略で、アクティブな運用と対照的に、特定の市場指数を追跡することに焦点を置いています。この戦略の主な目的は、投資対象となる市場指数のパフォーマンスを模倣し、その指数に含まれる銘柄を同じ比率で保有することにより、市場の平均的なリターンを得ることです。

パッシブ運用の特徴は以下の通りです：

1. 低コスト：アクティブ運用に比べて、取引が少ないため取引コストが低く抑えられます。また、運用にかかる管理費用も一般に低く設定されています。
2. 透明性：保有する資産が市場指数に基づいているため、投資対象が明確であり、投資家はどのような銘柄に投資しているのかを容易に把握することができます。
3. 市場平均のリターン追求：市場平均のリターンを得ることを目指すため、アクティブ運用のように市場を上回るリターンを目指すリスクを取る必要がありません。

パッシブ運用は主にインデックスファンドやエクスチェンジ・トレーデッド・ファンド（ETF）を通じて実行されます。これらのファンドは、特定の株価指数やその他の金融指数を基準として構成され、投資家はこれに投資することでその指数と同様のパフォーマンスを得ることが期待されます。

パッシブ運用の利点は、特に長期的な視点から見ると、アクティブ運用による市場の平均リターンの上回りが困難であるとされる研究結果が多いため、安定したリターンを望む投資家に適しています。また、運用がシンプルであるため、初心者投資家や時間や資源を運用に多く割けない投資家にも理想的です。

ただし、市場が下落した場合には、その影響を直接受けるため、リスク管理の観点からはポートフォリオの分散や他の投資戦略との組み合わせが重要となります。パッシブ運用は市場の波に乗る一方で、市場の下落時には損失を避けることができないため、その点を理解しておく必要があります。

関連用語： アクティブ運用 、 ベンチマーク 、 ETF／上場投資信託