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インプライドボラティリティ


「インプライドボラティリティ」(Implied Volatility, IV)は、オプション価格から逆算される株価の将来の変動性(ボラティリティ)の指標です。この値は、オプション市場における参加者が予想している株価の動きの激しさを表しており、オプションのプレミアム(価格)に反映されています。インプライドボラティリティは、オプションの価格設定モデル(最も一般的なのはブラック・ショールズ・モデル)を使用して計算されます。

インプライドボラティリティの重要性

  1. 市場の期待の反映: インプライドボラティリティは、市場参加者がどれだけの株価変動を今後一定期間に予想しているかを示します。高いインプライドボラティリティは、大きな価格変動が予想されることを意味し、低い値は比較的安定した市場条件を示唆しています。
  2. リスク管理ツールとしての役割: 投資家はインプライドボラティリティを用いて、ポートフォリオのリスク管理を行います。特定のオプションのIVが急激に上昇した場合、それは市場リスクが高まっている可能性があるため、リスクオフのポジションを取るなどの対策を講じることがあります。
  3. トレーディング戦略: オプショントレーダーはインプライドボラティリティを使用して、オプションが過大評価されているか過小評価されているかを判断します。IVが歴史的なボラティリティ(実際の株価の変動幅)よりも高い場合、オプションは過大評価されている可能性があり、その逆もまた真です。

インプライドボラティリティの計算

インプライドボラティリティは直接計算されるものではなく、オプションの市場価格と、オプションの基礎となる資産の現在価格、行使価格、満期までの時間、無リスク利率などのパラメータを用いてオプション価格モデル(例えばブラック・ショールズモデル)によって逆算されます。

インプライドボラティリティの限界

インプライドボラティリティは有用なツールですが、それが常に正確な将来の市場変動を予測できるわけではありません。市場の心理や予期せぬニュース、経済的変動などにより、実際のボラティリティはインプライドボラティリティと大きく異なることがあります。そのため、この指標を使用する際には、他の市場データや分析ツールと組み合わせて利用することが重要です。

関連用語: コモディティ投資インザマネーアウトオブザマネーボラティリティボラティリティアービトラージ

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この記事を書いた人

監修:柿本 紘輝(CFP証券アナリスト協会検定会員
業界最大手の投資助言会社ヘッジファンドダイレクト株式会社が運営。
富裕層向けに投資助言契約累計1395.9億円(2023年12月末時点)。
当社の認定ファイナンシャルプランナー(CFP、国際資格)、証券アナリスト(CMA)が監修して、初心者にも分かりやすく、良質な情報をお届けしています。

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