2019年は日本株の投資信託から1兆3千億円の資金が流出した。また国際債券は7100億円、国際株式からは1200億円が流出した。一方バランス型投資信託には1兆2900億円の資金が流入した。投資信託全体からは4466億円が流出した。
バランス型ファンドの中では東京海上・円資産バランスファンドのような保守的なファンドに資金が集まる一方、グローバル3倍3分法ファンドのように積極的にレバレッジを活用した投資信託にも資金が流入した。また確定拠出年金専用のバランス型ファンドに対しても、1年間で3,000億円超の資金流入があり、確定拠出年金の資金も運用残高の増加に寄与した。
2019年を通じて資金が流入したのは好配当株に投資するピクテ・グローバル・インカム株式ファンドであり4262億円流入した。またグローバル3倍3分法ファンドには1年型に3397億円、隔月分配型に1876億円流入し、合計5273億円流入した。東京海上・円資産バランスファンドには毎月型が2288億円、1年型が1602億円の流入超過、合計で3890億円流入し、2つのファンドで9163億円分の流入を記録し、一部の投資信託に資金が集中していることが分かる。
とくにグローバル3倍3分法ファンドのヒットの後にレバレッジ・バランス型ファンドの設定が相次いでいる。ウルトラバランス世界株式、楽天・米国レバレッジバランス・ファンド、米国3倍4資産リスク分散ファンドなどが該当する。
また運用会社としてはマン社が運用するヘッジファンド型投信であるダブル・ブレイン(954億円)やマンAHLスマート・レバレッジ戦略ファンド(451億円)の2つファンドにも資金が流入した。またティー・ロウ・プライス社のファンドも 米国成長株式ファンドに1,483億円、世界厳選成長株式ファンド1632億円と資金を集めている。
■ 2019年投資信託分類別流出入額
大分類名 | 本数 | 純資産合計 | 1年 |
国内株式型 | 878 | 101,146 | -13,384 |
国内債券型 | 136 | 32,134 | 1,327 |
国内REIT型 | 117 | 29,958 | 1,705 |
国際株式型 | 1,302 | 187,275 | -1,252 |
国際債券型 | 1,457 | 129,310 | -7,104 |
国際REIT型 | 276 | 48,617 | 1,607 |
バランス型 | 1,076 | 111,975 | 12,915 |
商品指数連動型 | 33 | 2,084 | 336 |
オルタナティブ投資型 | 83 | 7,123 | 190 |
特殊運用型 | 39 | 1,822 | -369 |
評価対象外 | 204 | 6,303 | -438 |
<合計> | 5,601 | 657,748 | -4,466 |
モーニングスター社公表データより作成