米ヘッジファンドがキャシー・ウッド銘柄の空売りで37%リターン

プロアクティブの報道によると米国のヘッジファンドのグリーンライト・キャピタルは、2022年にキャシー・ウッド氏のARK Innovation ETFが保有する株式を空売りして36.6%の利益を上げたことを、創業者が投資家への手紙で示唆した。

ARKのファンド名は明らかにされていないが、デイビッド・アインホーン氏のレポートによると、2021年初めにグリーンライト・キャピタルは 「バブル名と非常に似た特徴を持つと思われる、いわゆる『イノベーション』株のアクティブ運用ETF」に注目していたことを暗示した。

アインホーン氏は、グリーンライト・キャピタルがETFの構成要素のバスケットを空売りしたことに言及し、2021年に最初の投資を行って以来、その価値が76%失われたと述べた。

キャシー・ウッド氏は積極的な集中投資スタイルで多くの投資家から注目を受けていた。ARKの保有銘柄で最もよく知られているのはテスラで、この1年で同社の株価は62%下落しているが、コインベース (75%下落) やショッピファイ (62%下落) など他の大企業でも同様の下落が見られる。

アインホーン氏は、グリーンライト・キャピタルが最初に 「バブルバスケット」 を試したのは2014年で、2020年と同様に裏目に出たが、2021年に3回目の幸運があったことを明らかにした。

「我々は粘り強くなければ何でもない。2021年3月、我々は再びバブルがはじけたと信じた…今回は正しかった」

アインホーン氏は、グリーンライト・キャピタルの3番目のバブルバスケットには31銘柄があり、これまでのところポートフォリオに実質的な敗者はいないと付け加えた。

「2022年は例外的に良い年だった」 アインホーンは述べた。

ヘッジファンドのグリーンライト・キャピタルのバブル株の定義は、伝統的なバリュエーション分析の結果、80%以上下落しても、決して安くは見えないというものである。

ARK Innovation ETFは2023年回復もピークまでは程遠い

ARKK	1 Year	3 Years	5 Years	Since Inception
NAV	67.82%	-24.84%	7.72%	12.23%

ARK Innovation ETF（ARKK）は、アメリカの投資会社ARK Investment Managementが運用する上場投資信託（ETF）です。2014年に設定され、2024年1月20日現在で資産総額は約7.815億ドルに達しています。

ARKKは、革新的な技術やビジネスモデルを持つ企業に投資する、アクティブ運用型のETFです。具体的には、人工知能（AI）、ロボット工学、ゲノム編集、再生可能エネルギー、ブロックチェーンなどの分野に投資しています。

ARKKの運用方針は、キャシー・ウッド氏が率いるARK Investment Managementのチームによって決定されます。ウッド氏は、テクノロジーの進歩によって世界が大きく変わると信じており、その変化を牽引する企業に投資することで、長期的な成長を目指しています。

ARKKの投資先は、時価総額が比較的小さな企業が多いのが特徴です。これは、ウッド氏が、革新的な技術やビジネスモデルを有する企業は、まだ発展途上であり、大きな成長ポテンシャルがあると考えているためです。

ARKKは、2020年以降、急激な成長を遂げました。2021年には、基準価額が約200倍に上昇し、世界で最も注目を集めるETFの1つとなりました。しかし、2022年以降は、米連邦準備制度理事会（FRB）による金融引き締めや、ロシアによるウクライナ侵攻などの影響を受けて、基準価額が大きく下落しました。

ARK Innovation ETF（ARKK）の2023年の基準価額は、年初（2023年1月1日）の160.74ドルから、年末（2023年12月31日）の45.07ドルまで、67.82%下落しました。ピーク時（2021年11月10日）の159.73ドルからは、74.68%下落しています。

2023年のARKKの下落は、米連邦準備制度理事会（FRB）による金融引き締めや、ロシアによるウクライナ侵攻などの影響を受けて、景気後退懸念が高まったことが主な要因です。また、ARKKの投資先である革新的な技術やビジネスモデルを持つ企業は、一般的に時価総額が小さいため、市場の下落の影響を受けやすいという特徴もあります。

なお、2024年1月20日現在のARKKの基準価額は、46.28ドルとなっています。

以下に、ARKKの投資先企業の例をいくつか挙げます。

テスラ
ストライプ
ロブロックス
パランティア・テクノロジーズ
クラド
コインベース
シーゲレフ
ロボティック・オートメーション
ナノセラミックス
これらの企業は、いずれも革新的な技術やビジネスモデルを有しており、今後の成長が期待されています。