ヘッジファンド11月は44億5000万ドル以上の資金流入
イーベストメント・ヘッジファンド・アセットフロー・レポート によると、ヘッジファンドは11月に44億5000万ドル以上流入があった。11月の資産流入とパフォーマンスの上昇により、ヘッジファンド業界全体の総資産は3兆2850億ドルに達し、2018年末の3兆189億ドルから2661億ドル、約8.8%の増加となった。パフォーマンスを除くと2019年は累計で815億3000万ドルの資金流出となり、2018年末資産比で2.6%の資金流出となっている。
戦略別資金流出入状況
主要ヘッジファンド戦略の中では、ディレクショナル・クレジット・ファンドが11月に25億9000万ドル以上の資金を獲得し、勝者となった。しかし、ディレクショナル・クレジット・ファンドの資産は低金利を背景に減少傾向にあり、年累計の資産フローはマイナス69億9000万ドルであり、12月の資金流入成績によっても好転する可能性は低い。
イベント・ドリブン戦略ファンドは、ヘッジファンドの主要戦略の中で2019年の大きな資産獲得者になりつつあり、年間累計でプラス150億ドル、11月だけで+16億3000万ドルの資金流入を獲得している。またモーゲージ債戦略は、好調な11月を過ごし、22億8000万ドルの資金を引き寄せ、YTDへの資金流入は97億2000万ドルに達し、12月の大きな混乱がなければ、100億ドルの大台に到達するだろう。
11月の数字を見ると、株式ロング/ショート戦略は今年の大きな資産流出した戦略となりそうだ。株式ロング/ショート戦略は、11月に投資家の解約がわずか2億9000万ドルだったが、年初来では414億6000万ドルもの流出があった。それでも、総資産は7646億ドルで、株式ロング/ショート戦略は圧倒的な運用残高を誇る運用戦略である。
マネージド・フューチャーズ(CTA)は、3か月連続の資金流入を続けていたが、11月にはマイナス21.1 億ドルに転じ、年間で累計マイナス86億1000万ドルにとなっている。
11月には、エマージング・マーケット・ファンドからの解約がわずかに増加したが、それを相殺する新規流入はなかった。この結果、エマージング・マーケット・ファンドは7カ月連続の純流出となった。