ラザード社が発表した2019年のアクティビストレビューによると、2019年は147人のアクティビストが活動し、そのうち43名が初めてアクティビズムを始めた。
これらの活動家が、標的にした時価総額5億ドル以上のグローバル企業は187社で、2018年の記録から17%減少したが、複数年の平均レベルには一致しているという。
日本で注目されたアクティビストキャンペーンとしては、ヘッジファンドのオアシスがセブン&アイホールディングスに中核であるコンビニエンス業務以外の業務、例えばイトーヨーカドーなど非中核部門の売却を要求したことや、サードポイントがソニーに金融やイメージセンサー等半導体事業の売却を要求したことなどが挙げられる。
米国ではAT&Tは2019年10月、エリオット・マネジメントとの協議の中で大型買収の停止や業務効率化、配当の拡大などを約束して解決した。またITセクターではアイカーン氏がヒューレットパッカード社にXerox社との合併を促した。またエリオットマネジメントとスターボードバリューはイーベイに非中核資産の売却を促した。そしてD.E.ショーはエマソンエレクトロニックのコスト構造と組織携帯について独立した機関による見直しを促した。
欧州全体の活動は2018年の57件から2019年は47件に減少した。これは主に英国でのキャンペーンが10件減少したことによるものだ。
すべての地域で、活動家は122人の取締役を獲得し、これは過去の複数年の平均と一致している。取締役の過半数は、交渉による解決によって獲得された。
エリオットやスターボードのような活動家がキャンペーン展開数で優位を保っている一方で、2019年には伝統的な長期投資家の多くが会社の経営陣を狙っている。投資家にはアルチザン・パートナーズ、ティーロー・プライス、ニューバーガー・バーマン、M&Gインベストメンツなどが含まれる。