世界のヘッジファンド業界の資産は、2021年の第一四半期に過去最高の3.8兆米ドルにまで膨れ上がったとヘッジファンドリサーチが公表した。今四半期は、2000年以来最も好調な四半期を記録し、特定の戦略というよりは幅広い戦略タイプに適切に資金が流入している。投資先としては大手のヘッジファンドが好まれる傾向は変わっていない。
ヘッジファンド・リサーチの推計によると、1月末から3月末にかけて、ヘッジファンドへのの純資産流入は約61億ドルに達した。これにより、2020年第3四半期以降の純流入額は221億米ドルとなった。HFRの主要なファンド・ウェイトコンポジット・インデックスは、2000年以来の最高となる6%の急上昇を記録している。
イベント・ドリブン型ヘッジファンドの運用資産額は初めて1兆ドルを超え、昨年第4四半期に株式型ファンドが1兆ドルを超えたのに続き、ヘッジファンド戦略としては2番目に1兆ドルの大台に乗った。イベント・ドリブンの運用資産額は、第1四半期に854億ドル増加し、このセクターの資産は1兆500億ドルに達した。一方、株式ヘッジファンドの資金は、1月から3月の間に約620億米ドル増加し、1兆1,600億米ドルに達した。またマクロ・ヘッジファンドの運用総額は144億米ドル増加して6,183億米ドルとなり、推定8億7,500万米ドルの新規投資家の資本が追加されている。